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血糖値スパイク
2022/02/04
そのほか
こんにちは、にこにこスタッフ森田です。
『血糖値スパイク』ということばを聞かれたことはありますでしょうか。
通常誰しも、一般的な食事の摂取により、グルコースが吸収されることで食後の血糖値が上がります。
すると、すい臓からインスリンが分泌され、血液内のグルコースが肝臓や筋肉に取り込まれ、血糖値は正常範囲まで下がります。
しかし、何らかの原因でインスリンが分泌されなかったり、インスリンの効き目が弱くなってしまうことによって、血糖値が下がりきらず、食後だけでなく空腹時も高い状態が糖尿病です。
血糖値が高い状態が続くと、血管が傷ついてしまいます。
血管は体全身に張り巡らされているため、症状が悪化することにより、様々な合併症を誘発するリスクが高まります。
予防として、空腹時血糖値やHbA1cの値が正常範囲内におさまっているかどうかを知ることはとても大切です。
一般の健康診断では、食後10~12時間は水やお茶以外何も口にしない状態で採血します。
この時の血糖値の値が正常値より高くなると、高血糖となります。
食後は、健康な人では血糖値が1~2時間で緩やかにピークに達するのですが、食後に血糖値が急激に上昇・下降し、1~2時間後のピーク時の値が正常値より大幅に高くなるかたがおられます。
この状態が血糖値スパイクとよばれています。
血糖値スパイクは、しばらく時間が経過すると、血糖値は正常範囲内に戻ってしまうため、血液検査の空腹時血糖やHbA1cの値では異常なしと判断されます。
問題点としては、ある一定時間であっても高血糖状態が続くことにより、血管に傷がついてしまいます。
この状態が繰り返されると、動脈硬化が進行し、心臓病やガン、認知症の発症リスクが高まることがわかっています。
またインスリンを多量に分泌するため、すい臓にも負担がかかります。インスリン抵抗性が生じ、血糖値が下がりにくくなると、糖尿病を発症するおそれもあります。
食後の血糖値を測定する方法もあるようですが、一般的には空腹時血糖の検査を受けているかたが多いかと思われます。
一つの目安として、空腹時に糖質の多い食事や飲料を摂取し、食後に強い眠気や倦怠感があらわれている時は、血糖値スパイクがおきている可能性があります。
予防としては、食事メニューの糖質の割合を減らす、GI値が低い食品を選択する。とくに砂糖が多く含まれるお菓子や清涼飲料水は、急激に血糖値を上昇させてしまいます。
他には、食物繊維を多く含む野菜から食べ、次にたんぱく質が多いメイン料理、最後に糖質(ご飯やパンなど)といった順番にすることにより、最初に糖質から食べ始めた場合と比べ、血糖値の上昇度合いを抑えることができます。
また、野菜から食べることで満腹感を感じやすいため、食べ過ぎの防止にもつながります。
そして、運動が効果的となります。運動をおこなうことにより、インスリン抵抗性の改善につながることがわかっています。
とくに効果的であるのは、食後数十分後に、散歩やウォーキングすることです。糖がエネルギーとして消費されるため、食後の血糖値の上昇が抑えられます。
しかし、食後に毎回運動することは大変なため、食後にこだわらず日常的に運動する習慣をつけることが大切かと思われます。
糖質の多い食事は美味しいですし、疲れている時ほど甘いものが欲しくなりがちです。そういった時でも、食事の摂り方や量を加減することで、血糖値の上昇をおさえ、体への負担を減らすことができます。