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食中毒
2022/02/18
そのほか
こんにちは、にこにこスタッフ森田です。
夏場だけでなく冬場にもおきる食中毒ですが、原因は様々です。
細菌やウイルス・寄生虫といった病原体、自然毒、化学性由来の物質などを原因としても発生しますが、発生件数・患者数の割合としては、ほとんどが病原体によるものとなります。
食中毒をおこす主要な病原体は、細菌、ウイルス、寄生虫に分類されます。
その細菌のグループの中でも多くの種類が存在しており、発生の仕方の違いから「感染型」と「毒素型」に分類されています。
〈感染型〉
- ・サルモネラ菌-牛・豚・鳥などの家畜、鶏卵、河川や下水、ネズミが感染源となることもあります。加熱調理、食器・調理器具の洗浄・消毒が予防として効果的です。
- ・カンピロバクター-家畜や野生動物、ペットが保菌しており、肉(とくに鶏肉)や牛レバーの生食による発生が多くなっています。発症するまでの潜伏期間が2~7日とやや長く、まれにギラン・バレー症候群を発症する場合があります。予防には加熱調理、食器・調理器具の洗浄・消毒が有効です。
- ・腸炎ビブリオ-海水中に存在しており、魚介類などに付着しています。日本では刺し身や寿司がよく食べられるため、以前は食中毒の発生件数として多かったようです。しかし現在では、市場に出回っている魚介類はしっかりと衛生管理されているため、発生件数は少なくなっています。水道水の中では増殖できないため、予防のためにはしっかりと洗い、冷蔵・冷凍保存することが大切となります。
- ・腸管出血性大腸菌O-157-大腸菌のグループには多くの種類が存在し、人や動物の腸にも多数存在しています。ほとんどの大腸菌は問題ないのですが、人に対して病原性をもたらす菌も存在しており、病原大腸菌とよばれています。腸管出血性大腸菌0-157はその一つで、産生されるベロ毒素により、食中毒がおきます。免疫力が低下している小児、高齢者では重症化する危険性があるため注意が必要となります。予防には、加熱調理、食器や調理器具の洗浄・消毒が重要です。
- ・ウェルシュ菌-人や動物の腸内、河川や海・土壌など様々な場所に存在します。食中毒の発生件数はそれほど多くありません。エンテロトキシンとよばれる毒素により食中毒症状がおきます。熱に強いため、加熱調理することで他の細菌やウイルスが死滅していたとしても、この菌だけが生き残り、食中毒が発生することがあります。大鍋で調理したカレーやシチューを常温で一晩置き、翌日に再加熱したにもかかわらず、菌が増殖している危険性があります。集団食中毒が発生しやすい原因菌となります。予防としては、作り置きせず出来るだけその日に食べきること、また残ったものは早めに冷却し、冷凍・冷蔵保存することが大切です。
〈毒素型〉
- ・黄色ブドウ球菌-健康な人の手や指、皮膚などにも存在しています。とくに化膿したにきびやおでき、傷口には数多く存在します。素手で触れた食品を摂取することにより、食中毒がおきる可能性があります。産生されたエンテロトキシンとよばれる毒素は、熱に強い性質があるため、加熱により防ぐことができません。予防としては、手洗い・消毒、傷のある素手で食品や調理器具に触れない、冷蔵保存するといったことが効果的となります。
- ・ボツリヌス菌-食中毒の発生件数は少なくなっています。海や河川、土壌など自然界では広く存在します。缶・ビン詰め、容器包装されている食品など、空気のない環境で増殖しやすいといった特徴があります。熱に強く、家庭での加熱調理では死滅できません。また、産生される毒素は毒性が強く、胃腸症状だけでなく神経を障害されることがあります。1歳未満の乳児では、乳児ボツリヌス症の危険性があるため、蜂蜜の摂取をさける必要があります。一般に販売されている食品ではまず問題ないのですが、密閉容器が膨張し、開封時に異臭がする場合は注意が必要です。
- ・セレウス菌-河川、土壌など自然界に広く存在します。熱に強く、家庭での加熱調理では死滅できません。予防としては、作り置きせず出来るだけその日に食べきる、残ったものは冷凍・冷蔵保存することが大切となります。
食中毒をおこす細菌は他にもたくさんあります。また、病原体による食中毒としてはウイルスや寄生虫など多数存在します。
症状や発生しやすい時期、予防方法などにも違いがあります。ウイルス由来の特徴などは次の機会に書いてみようと思います。