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食中毒2

2022/02/25

そのほか

こんにちは、にこにこスタッフ森田です。


以前に細菌が原因となる食中毒について書きました。他には、ウイルスや寄生虫などの病原体も食中毒の原因となり、毎年多数発生しています。

ここ最近の食中毒発生の内訳を調べてみました。(保健所に報告されている情報ですので、ご家庭でおきた軽度の症状の食中毒も含めると、実際はもっと多くあるのかもしれません)


発生件数〕

1位 アニサキス  2位 カンピロバクター  3位 ノロウイルス 

〔患者数〕

1位 腸管出血性大腸菌以外の病原大腸菌  2位 ノロウイルス  3位以下 ウェルシュ菌、サルモネラ菌、カンピロバクター
(年により順位に違いがありますが、病原大腸菌、ノロウイルスの患者数はとくに多くなっています)


発生件数では、意外にも寄生虫のアニサキスが最も多くなっています。私自身は、高温で湿度の高い夏場に、細菌が原因となる食中毒の発生が最も多いイメージがありました。

アニサキスは、サバやイカ・鮭・アジ・サンマ・カツオに多く存在します。とくにサバやサンマを食した後に発症したとされる報告が多いようです。

加熱調理や-20℃で24時間以上冷凍することでアニサキスは死滅します。
一般に市販されている刺し身や寿司では、一度冷凍されているものが多いため、安全だそうです。また、養殖物も安全性が高いとされています。


アニサキス食中毒の厄介なところは、アニサキスが胃腸の壁を傷つけ、腹部の激痛や嘔吐症状など出た場合です。このような急性症状は「アニサキス症」とよばれています。

他の細菌やウイルス性の食中毒では、重症化しない多くの場合は、時間の経過とともに病原体は自然に排出・減少するため、それまでは安静にすることで回復につとめます。
しかし、アニサキス症は腹部の痛みなどが強く、症状の改善には、内視鏡を用いてアニサキスを1匹ずつ取り除く必要があります。

また、アニサキスに対するアレルギー反応がおきる場合があります。
花粉症は、体の自己免疫が花粉を異物と認識することで症状があらわれます。同様に、アニサキスを異物と認識してしまうと「アニサキスアレルギー」となります。

「アニサキス症」は、生きたアニサキスが胃腸で悪さをするため、加熱や冷凍することで予防できます。

しかし「アニサキスアレルギー」では、加熱調理・冷凍により死んでしまったアニサキスであったとしても、体内では自己免疫により異物(アレルゲン)と認識される場合があります。
アニサキスは、とくにイカや青魚に多く寄生しているのですが、それ以外の多くの魚にも存在しています。そのためアレルギー症状が重い場合には、魚自体の摂取を控えているかたもおられます。

昔から、青魚を食することでアレルギー症状があらわれるかたがおられます。しかし実際は、多くは原因となるアレルゲンは、青魚ではなくアニサキスであったのではないかと言われています。
     

食中毒の発生件数ではアニサキスは最も多くなっていますが、細菌やウイルスのような2次感染がないため、患者数はそれほど多くありません。

患者数では、感染力の強い病原大腸菌やノロウイルスなどが上位にあがってきます。
汚染された食材を食することで食中毒が発生しますが、その食材に触れた調理者や調理器具を通して広がる危険性があります。
また、食中毒を発症した患者の便や吐物にも病原体が存在するため、そこから2次感染が広がる危険性もあります。

他に発生件数が少ないウェルシュ菌が、患者数では上位にあがっています。
ウェルシュ菌は熱に強いため、カレーやシチュー・スープなど大鍋で作り置きしたものを、翌日に再加熱したにもかかわらず、食中毒が発生することがあります。
その料理を多人数が食べてしまうことにより、集団食中毒が発生がしやすいといった特徴があります。

食中毒は原因によって対策が異なりますので、発生条件やそれぞれに対する予防方法を知っておくことが重要となります。

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