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腸内フローラ2
2022/04/01
そのほか
こんにちは、にこにこスタッフ森田です。
腸内には無数の細菌が生息しており、その状態がまるでお花畑(フローラ)のように見えることから、腸内フローラとよばれています。
その種類自体も数は多く、腸内にて一定のバランスを保ちながらヒトとの共生関係を続けています。
最近の研究により、この腸内細菌の存在はヒトにとって大変重要であることがわかっています。
腸にたくさん存在する免疫細胞と協力し、細菌やウイルスなどの病原体から体を守る働きがあります。
また、ヒトがもっている酵素では消化できない食物繊維を、エネルギー源として利用できるよう変化させています。
他には、神経伝達物質であるドーパミンやセロトニンの生成に関わっています。
『脳腸相関』という言葉があり、「腸は第2の脳」とよばれています。
ヒトの脳は多数の神経細胞が集まっているのですが、腸にもとても多くの神経細胞が存在します。そして、脳からの指令がなくても自立して活動できることがわかってきました。
「脳」で精神的な緊張やストレスを感じた時に、腹痛や下痢症状がみられることがありますが、これは脳と腸(胃)が密接に関わっているためおこります。
反対に「腸」の状態が悪化すると、「脳」に対して悪影響があるのではないかと考えられています。
腸内細菌によりドーパミンやセロトニンといった神経伝達物質が生成されるのですが、これは脳の働きとも深く関わっています。
・ドーパミン-神経伝達物質の一つであり、「快感」や「意欲」といった感覚はこのドーパミンが分泌されることで生じます。また「運動」の調整に対しても作用します。脳内でドーパミンを分泌する細胞が減少すると、パーキンソン病特有の症状があらわれることがわかっています。
・セロトニン-ドーパミンと同じく神経伝達物質の一つであり、「精神の安定性」と深く関わっています。他の神経伝達物質であるドーパミン・ノルアドレナリン(交感神経の働きを高め血圧・心拍数を上昇させ、体を活発な状態にします)をコントロールし、心のバランスを保つ作用があります。不安が強いうつ病の患者では、脳内のセロトニン量の減少がみられます。
腸内細菌はヒトにとって有益に働く『善玉菌』、反対に有害となる『悪玉菌』、どちらにも分類されない『日和見菌』の3つに分類されます。
善玉菌が優位な腸内環境では、細菌はヒトにとって有益に働いてくれているのですが、悪玉菌が増加し善玉菌の割合が減少してしまうと、有害な代謝物が多く生成されます。
そうなると便通の悪化だけでなく、肌荒れやアレルギー、免疫力の低下、また精神面にも悪影響するおそれがあります。
マウスの研究ではありますが、活発なマウスと臆病なマウスの腸内細菌を入れ替えることで、行動が逆転することが確認されています。
性格など精神的な部分は、遺伝や発育環境の影響が大きいと考えられていましたが、個々の腸内細菌の違いも大きな要因になっていると推察されています。
さらなる研究の伸展が期待されるところですが、良好な「腸」の状態は「体と心」どちらにとっても大変重要となりそうです。