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腸内フローラ4

2022/04/15

そのほか

こんにちは、にこにこスタッフ森田です。


腸に関する多くの研究より、体の健康状態を左右する腸内フローラを構成する細菌の種類や数は一人一人異なっていることがわかってきました。
その違いは健康状態だけでなく、体質や精神面など様々な面と関わりがあると考えられています。

例えば、腸内細菌と肥満の関連性を調べた研究があります。
マウスでの研究ではありますが、瘦せているマウスに太っているマウスの腸内細菌を移植したところ、体質が変化し太りやすくなりました。
ダイエットについての話題や記事、情報は無数にあります。
インターネットで検索すると、食事の摂り方や運動方法など本当に多くの情報がでてきます。
機器を用いて脂肪を吸引するといった方法などもあります。

しかし、体重の増減についてはまだまだわかっていないことが多くあります。
テレビに出演している大食いタレントのように、食事量がとても多いにかかわらず痩せているヒトがいます。また、普段からとくに運動していなくても瘦せているヒトもいます。

相撲を観ていると、体格とくに体重差に驚かされます。
元々体重が増えやすい人達が力士になっているのだと思われますが、身長はほぼ同じであるのに50㎏以上の体重差がみられます。
もちろん食べる量には個人差がありますが、皆同じように稽古しカロリーを消費しています。
食事量や運動量だけで成人1人分もの体重差があらわれるとは考えにくいです。
「代謝が良い」「遺伝が関係している」などと言われますが、なぜそれ程の体重差があらわれるのか、まだわかっていない点が多くあります。
最近の研究では、一人一人の腸内フローラの違いが、個人の体格や体質をきめる大きな要素となっているのでないかと考えられています。


腸内細菌の種類と運動能力との関連性についても研究が進められています。
マラソンランナーの腸内細菌の種類を調べたところ、一般のヒトと比べ、ある特定の細菌が多く存在していました。
その細菌を培養しマウスの腸に移植したところ、マウスの持久力の向上が確認されました。乳酸をエネルギー源へと代謝する働きがあるのですが、これが持久力向上の一因になっているのでないかと推察されています。

他に海外のラグビー選手の腸内細菌を調べた研究においても、特定の細菌が多い割合で検出されました。
この細菌を調べた結果、炎症を抑制する働きがあることがわかりました。
ラグビーは運動量が多いだけでなく、コンタクトスポーツの中でもとくに怪我が多く発生するスポーツです。
腸内細菌がトレーニング・怪我で生じた炎症の治癒に役立っている可能性があるそうです。

なぜマラソンランナーやラグビー選手に特定の細菌が多く生息しているのかは、まだ明確には解明されていないようです。
アスリートの食事は一般人とはかなり異なっているため、食事内容や食生活との関連性も考えられます。
しかしそれだけではなく、運動が腸内細菌の生息環境を変化させている可能性があります。
運動による刺激がどのように腸内環境に伝わっているのか、そして特定の細菌の増減と運動の種類に関連性があるのかなど、現在も研究が進められています。

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