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腸内フローラ8

2022/05/13

そのほか

こんにちは、にこにこスタッフ森田です。


現在の日本では、糖尿病の患者は1千万人以上に達し、糖尿病予備軍を合わせるとおよそ2千万人とも言われており、その患者は増え続けています。
日本全体の人口がおよそ1億2千万人ですので、6人に1人が糖尿病もしくはその予備軍となります。
この数字は乳幼児や子供も全て含まれていますので、高齢者における比率はもっと高くなります。
血糖値が高い状態を放置すると、合併症を引き起こし、末梢血管や腎臓・目が障害されるおそれがあります。
一度糖尿病を発症すると完治することができないため、合併症を予防するためには薬や食事・運動により血糖値をコントロールする必要があります。


最近の研究より、糖尿病の発症に関わる遺伝子がわかってきました。
また腸内フローラ(腸内細菌叢)との関連性についても研究が進められています。

食事を摂取すると、糖質(デンプン)が消化・分解されブドウ糖(グルコース)となり血中に取り込まれ、血糖値が上昇します。
すると膵臓にあるβ細胞からインスリンが分泌され、グルコースは血中→細胞へと移り、血糖値は正常範囲内に戻ります。
糖尿病の患者さんの場合は、このβ細胞の機能が低下することにより、インスリンの分泌が減少します。またインスリンは分泌されるのですが、細胞に取り込む働きが低下してしまい、充分に血糖値が下がらず高血糖になります。

糖尿病になってしまうと、インスリンを分泌する膵臓のβ細胞自体も減少し、現在これを回復させる治療法はありません。
しかし最近の研究により、特定の腸内細菌が「4-クレゾール」といった物質を生成し、この代謝物がβ細胞の増殖を促し、インスリン分泌を増加させることがわかってきました。
全てのヒトの体内に存在するのですが、糖尿病の患者では「4-クレゾール」の血中濃度の値が低いことがわかっています(「4-クレゾール」は腸内細菌による生成だけでなく、トマトやアスパラガス、コーヒー、ワインなど一部の食品にも含まれているようです)
この腸内細菌を糖尿病の治療・改善に用いることができないか、現在も研究が進められています。


現在糖尿病ではないとしても、予備軍であったり、健康診断の結果で血糖値が高い場合には、食事や運動により血糖値を改善していくことが大切です。
糖質を摂り過ぎている場合には食事内容を見直す必要がありますし、もし運動不足であれば運動習慣を取り入れることが大切です。

血糖値のコントロールのためには、腸内フローラを良好に整えることも大切だと思われます。
野菜や果物・きのこ・海藻・いも類など食物繊維の多い食品は、善玉菌(腸内細菌)のエサとなります(果物やいも類など糖質の摂り過ぎには注意が必要です)
また、ヨーグルトやチーズ・味噌・キムチ・納豆などの発酵食品も善玉菌の働きをサポートします。
食事メニューを考える上では、偏った食品ばかりを摂らずにバランスよく食べることが推奨されています。

腸内環境の状態は、肉体だけでなく精神面も含め体全体の健康と関連していることがわかってきています。
一人一人の腸内フローラは異なりますので、それぞれに見合った食事内容・食生活を見つけることが大切であり、そこから腸の健康そして全身の健康へとつながってくるのだと思われます。

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