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食物アレルギー2
2022/07/22
そのほか
こんにちは、にこにこスタッフ森田です。
『食物アレルギー』の症状は、アレルゲンとなる食品を口から摂取するだけでなく、鼻から吸い込んだり皮膚に付着することにより現れる場合があります。
成人してから発症することもありますが、多くは幼少期に発症します。
かつては、幼少期に初めて口から摂った特定の食品に対して、何らかの理由で免疫細胞がアレルゲンと認識してしまい(経口感作)、それ以降はその食品に対してアレルギー反応が生じると考えられていました。
しかし最近の研究では、まず先に特定の食品が皮膚に接触した段階において免疫細胞がアレルゲンとして認識してしまう、そういった症例が多いのではないかと考えられています(経皮感作)。一旦経皮感作が起きると、それ以降は口からの摂取においても繰り返しアレルギー症状が現れます。
以前まで食物アレルギーについては、アレルゲンとなる食品の摂取は出来るだけ避けるよう推奨されてきました。
しかし幼少期に発症した場合は、成長と共に改善するといった症例が多くみられます。アレルゲンとなる食品を少しずつ口から摂取することにより、徐々にその食品に対する耐性が生まれ、アレルギー反応の抑制につながるのでないかと考えられています。
現在は、食物アレルギーの予防にはまず経皮感作の状態を作らないことが重要と言われています。
例えば、幼少期の子供が小麦に少し触れただけで経皮感作が起きるわけではありません。健康で正常な皮膚は、皮脂や角質などに守られ保護されています。
しかし、湿疹など皮膚のバリア機能が崩れた状態では、異物が皮膚内部に入りやすくなります。そのような状態でアレルゲンとなる食品に触れた場合に経皮感作が起こりやすいと考えられています。
以前に、小麦成分が含まれた石鹸の使用により小麦アレルギーを発症する、といったニュースがありました。
石鹸の特性上、皮膚についた汚れや雑菌などをしっかり洗い落とすことができます。しかし、同時に皮膚の常在細菌や必要な皮脂も洗い流されてしまうため、皮膚のバリア機能が低下し、石鹸の小麦成分により経皮感作が起きてしまったのでないかと言われています。
アレルギーの発症には、遺伝的要因と環境要因のどちらも関係していると考えられています。
乳幼児期に経皮感作が起きるリスクを軽減させるためには、保湿剤などを用いスキンケアすることが大切です。
現在新型コロナウイルス感染症が流行してからは、感染予防の観点から手洗いや手指消毒する機会、回数が格段に増えました。それにより、ヒトに害をもたらす細菌・ウイルスなどの微生物の除去につながっています。しかし、手荒れや湿疹が悪化するヒトがとても多くなりました。
私もよく手が荒れるため、ハンドクリームをこまめに塗っています。
皮膚にはある程度の皮脂が必要ですし、ヒトにとって有益な常在細菌が共生しています。感染予防のため手洗い・消毒することは大切ですが、皮膚のバリア機能が低下してしまうとそこから細菌やウイルスが侵入するおそれがあります。また小さな子供では経皮感作のリスクが高まります。
皮膚は一旦悪化すると治りにくい部位でもありますので、そうならないよう保湿剤などでスキンケアすることが大切となります。