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SFTS

2022/08/12

そのほか

こんにちは、にこにこスタッフ森田です。


最近、ニュースで『SFTS』という言葉を耳にする機会がしばしばあります。日本名で「重症熱性血小板減少症候群」と呼ばれる感染症にあたります。
SFTSウイルスを保有するマダニに噛まれることにより感染・発症するおそれがあります。
このSFTSに感染したヒトの多くは、野山や山林・草むらで気づかない間にマダニに咬まれてしまうそうです。

原因となるマダニは、家の中で見付けることがある一般的なダニとは異なります。
屋内に生息するダニは数種類おり、アレルギーの原因になるものやヒトを刺咬するものもいるため、決して好ましくはありません。
一方、マダニは屋内のダニとは異なり、とても大きく肉眼でも容易に確認できます。吸血後のマダニはさらにサイズアップし、硬貨と同じくらいの大きさになることがあります。ネットを調べると多くの写真が出てきますが、苦手なかたも多いかと思われます。

昔のテレビ番組で、図鑑に載っていない新種の虫を見つけたと一般の視聴者から依頼があり、その正体を調査するといった内容の放送がありました。
専門家に確認してもらったところ、その虫は吸血し肥大化したマダニであることがわかり、更にもうすぐ産卵する可能性があることを告げられ、すぐに捨てにいったというような内容だった記憶があります。当時はまだSFTSが日本では確認されていなかったと思われ、最終的には笑い話として締めくくられていました。

マダニも多くの種類が存在します。なかにはヒトにとって有害なウイルスを保有しているものが存在し、それによる感染症が問題になっています。
SFTSという名前をよく耳にするようになったのは最近になってからです。まだ新しい感染症であり、2013年に日本国内で感染したと思われる事例が初めて確認されました。
私は以前はよく山登りに出掛けていたのですが、当時はマダニについての危険性を耳にすることはほとんど無かったように思われます。しかし、昔から野山や森林にこのウイルス自体は存在しており、毎年感染者は出ていたのではないかと考えられています。

以前は西日本で発生していたのですが、現在は東日本でも確認されており、日本国内での感染者は徐々に増加しています。
元々マダニは野山や森林に生息しており、猪や鹿・猿などの野生動物を吸血し生きていました。
しかし、少しずつ森林等の自然環境が変化し、野生動物がエサを求めてヒトの生活圏内に入り込んできました。それに伴い取り付いているマダニの生活圏も広がり、現在は田畑や草地・公園で確認されることがあります。

感染経路にも変化がみられ、ヒトがマダニに咬まれる場合だけでなく、マダニに咬まれたイヌやネコが先に感染し、そのイヌやネコに咬まれることにより、関節的に感染するといった事例が確認されています(イヌの致死率は約30%、ネコに関しては60~70%といった報告があります)
他には、感染したヒトの血液や体液を介しての感染も確認されているようです。

コロナウイルスやインフルエンザウイルスのように、飛沫感染・空気感染はありません。
年間に報告されている感染者数は100名前後ですので、他の感染症と比較してずっと少ないのですが、現在確認されている症例では、発症すると致死率が10~30%とかなり高くなっています。また軽症者が少なく、重症化することが多いようです。

最近では、キャンプなどのアウトドアが人気があります。一般のキャンプ場ではそれ程心配する必要はないですが、山の中でのキャンプやSFTSの発生件数が多い地域でアウトドアをおこなう場合には、少し注意をした方が良いかと思われます。

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