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気候の変動3
2022/09/30
そのほか
こんにちは、にこにこスタッフ森田です。
地球が誕生してから現在までの長い歴史の中では、地球全体に影響するような大きな自然災害や気候変動が何度も発生しています。それらにより数回、地球上の多くの生命の絶滅がもたらされています。現在確認されているところでは、その絶滅期は5回おきており「ビッグファイブ」と呼ばれています。
ビッグファイブの中で最も新しく有名であるのが、白亜紀末に起きた恐竜を含む多くの動植物の絶滅です。
〔巨大小惑星(隕石)衝突〕
およそ6600万年前に巨大な小惑星が地球に衝突したことが原因で、恐竜は絶滅したのではないかと考えられています。様々な研究から、その当時におきた具体的な状況が推察されています。
直径10㎞程の小惑星が海に衝突したことで、数百mの津波が発生します。この時の衝突による地震の規模はマグニチュード10以上あったとされています。
衝突地点はとてつもない高温となり、一瞬で岩石は蒸発し、周囲数百㎞では空を火球が舞っていました。また、高温の衝撃波により広大な範囲の森林に火災が発生します。
更に時間の経過に伴い、衝突により発生した膨大な量の灰や岩屑などの粉塵や大量のガスが上空に舞い上がり、地球全体を覆い尽くしました。太陽光が遮られ、地球全体の平均気温は10℃近く下がりました。この期間は数年間続き「隕石の冬」「衝突の冬」などと呼ばれています。
気温の低下に加え地表まで太陽光が届かないため、植物は光合成をおこなえず発育しません。そうすると植物を食料とする多くの動物にも影響が及びます。
衝突時の大災害は大きな被害をもたらしましたが、恐竜を含む大多数の動植物はこの「隕石の冬」の期間に実際に絶滅したのではないかと考えられており、その当時地球上に存在する生命のおよそ70%とされています。
少し以前になりますが、2013年にロシアに隕石が落下し、それが大きなニュースになりました。昔と違い、車のドライブレコーダーやデジタル機器により複数の動画が撮影されていたため、実際にどのような状況だったのかを世界中の人々が映像として確認することができました。
この時の隕石のサイズは直径10~20mほどであり、地表に到達する前に上空で分裂・爆発しました。それでも多数の怪我人が発生し、多くの建物の窓ガラスが割れるといった被害をもたらしました。
わずか直径10数mのサイズの隕石ですが、分裂・爆発時のエネルギーは広島型原爆の30倍以上あったそうです。ただし、爆発・分裂したのが上空数十㎞の高さであったため地表での被害は小さく収まり、怪我人は1000人以上確認されていますが死者の報告はありませんでした。
それから考えると、直径10㎞の小惑星が地表に衝突した場合には、とてつもない被害が生じることが想像されます。コンピューターによる計算では、衝突時のエネルギーは広島型原爆のおよそ10億倍になるそうです。
もしこのような大規模の災害がおきてしまうと、人類が生き残るのは大変困難になります。したがって、現在は将来地球に衝突のおそれのある小惑星を見つけ出し、それを防ぐための様々な対応が話し合われ、実際に対策が進められています。
昨年NASAが打ち上げた探査機を、この今年の9月に「ディモルフォス」と呼ばれる小惑星(衛星)に衝突させる計画です。この衝突により、小惑星の周回軌道を変えることが出来るかどうかが注目されています。もし軌道を変えることが出来れば、将来地球に衝突のおそれのある小惑星が確認されたとしても、その軌道を変えることで衝突を回避できる可能性があります。昔に観たSF映画の内容のような計画が実際におこなわれる予定です。
小惑星の衝突により恐竜の絶滅がおきたのが、およそ6600万年前です。衝突時の大災害や、その後訪れた「隕石の冬」により多くの動植物が絶滅しました。
しかし、その激変した過酷な環境を生き延びた動植物が存在しており、その中には哺乳類も一部含まれています。生き延びた哺乳類はそこからまた長い時間を経て進化を続け、私達人類の祖先がおよそ500万年前に誕生しました。
一方、蚊の最も古い化石は1億7000万年前の地層から発見されています。実際に蚊がいつ地球上に誕生したのかはわかりませんが、6600万年前におきた小惑星の衝突による地球規模の大災害・気候変動の期間を生き延びた可能性が充分にあります。蚊が遥か昔から現在まで地球上に生息し続けているのは、生命力の強さと環境変化への適応能力の高さが備わっているからだと思われます。
蚊は人類にとってはかなり厄介な生き物です。マラリアやデング熱を予防するため様々な蚊への対策をおこなっていますが、現在でも多くの感染者・死者が報告されています。遺伝子の改変など、新しい技術を利用し蚊の個体数をコントロールする取り組みがおこなわれています。しかし、マラリアやデング熱などの感染症を抑制し収束させるためには、まだまだ時間が必要なのかもしれません。