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月
2022/10/07
そのほか
こんにちは、にこにこスタッフ森田です。
少し前のニュースになりますが、韓国政府より「月を探査するための無人探査機を打ち上げることに成功した」といった発表がありました。数年前には、中国が世界で初めて「月の裏側」に無人探査機を着陸させています。
1969年にアポロ11号が、人類として初めて月面に降り立ちました。私はまだ生まれていませんが、その当時のアメリカとソ連は、月の探査・月面着陸をどちらが先に成功させるか激しい競争を繰り広げていたそうです。結果的にはアメリカのアポロ11号が先に成功し、その後も6度の月面着陸をおこない、合計で12人が月面に降り立ちました。
そして1972年のアポロ17号の着陸を最後に、現在まで50年ほどの間人類は月に行っていません。その最も大きな理由としては、国家予算に影響するほどの膨大な費用がかかってしまうからです。
しかし最近になり、ブルーオリジンやスペースXといった民間会社が宇宙分野の研究・開発に乗り出しており、再び月面に有人着陸させる計画を立てているそうです。
また月の探査には、アメリカやロシア・中国・韓国だけでなくインドや日本も乗り出しています。
月は「表側・裏側」といった表現をされることがあります。月は球体ですが、地球から見えているのはいつも同じ半球側となっており、便宜上それを「月の表側」と呼んでいます。地球の衛星である月は、約27日をかけ地球の周囲を公転しています。また地球と同様に月も自転しているのですが、その自転日数も27日となる為、地球からはいつも同じ半球側しか見ることができません。
アポロ計画で人類が降り立ったのは、全て「月の表側」でした。「裏側」には電波の通信が届かないため、無人の探査機も着陸には至りませんでした。
しかし、2019年に「月の裏側」に無人探査機の着陸を成功させた中国は、「裏側」にも通信が届くように、先に中継点となる衛星を打ち上げていました。それにより「月の裏側」に回り込んだ探査機との電波通信が可能となり、無事に着陸を成功させ、更に車型の月面探査車を走らせることが出来ました。これから「月の裏側」の探査が進むことによって、月だけでなく地球や太陽系の成り立ちといった現在解っていない多くの点について、新たに解明されることが期待されています。
しかしこの月面探査に関しては、学術面だけでなく、将来的な宇宙資源の確保・軍事面での利用の可能性を探るといった思惑もあるようです。こういった政治的な側面は、月だけでなく人工衛星や宇宙ステーション、更には火星に関しても同じように存在しており、すでにいくつかの国では具体的な宇宙事業の計画を立て、その為の研究・開発に取り組んでいます。
ただし、月の環境は想像以上に過酷です。気温は-200℃以下~100℃以上が観測されており、また重力が地球の1/6しかなく、大気は限りなく薄くほぼ真空です。その為、月面には宇宙や太陽からの放射線が大量に降り注いでいます。
他には、「レゴリス」と呼ばれるほこり状の物質に、月面は覆われています。このレゴリスによる人への健康被害が報告されており、また電子機器や宇宙服に対して大きなダメージを与えることがわかっています。
地球と違いこの様な過酷な環境でありますが、現在月面基地を建設する計画があります。実際に月面基地を建設するには多くの困難がありますが、アポロ計画の頃と比べロケットや無人探査機など宇宙分野の科学技術は大きく飛躍しており、近い将来には、現在の宇宙ステーションのように人類の長期滞在が可能になるのだろうと思われます。