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台風2

2022/12/09

そのほか

こんにちは、にこにこスタッフ森田です。


今年の秋も多くの『台風』が発生し、日本列島に被害をもたらしました。ここ数年、台風による日本国内の被害額は年間で1兆円を超えています。台風の規模が大きくなっており、豪雨や暴風により想定外の被害がおきています。

2018年の台風21号は関西地方を直撃し、関西空港の滑走路やターミナルが浸水し停電がおきました。またタンカーが連絡橋に衝突したこともあり、一時空港としての機能が停止しました。台風被害については十二分に想定されていた関西空港ですが、結果的には大きな災害になりました。
また街中では、強風による電柱の倒壊や家屋の損傷、多数の車の横転など多くの被害が発生しました。死者や多数の怪我人も出ています。農作物への被害も大きく、農業に携わっている人にとっては、台風の発生は大変厄介な問題になっています。

現在多くの対策が取られていますが、被害の抑制には限界があります。
そこで新たな対策として、人工的に台風自体を制御してしまうといった計画が検討されています。台風の発生を抑えるのではなく、人工的に介入することによって、台風が発達し拡大するのを制御します。
台風は非常に大きなエネルギーを有していますので、それを制御するのは大変困難なことです。ただし大幅に縮小させることができなくても、最大風速が3m低下することによって、被害はおよそ1800億円の減少につながります。

気温の上昇が台風の発達に影響する大きな要因となるため、温度を下げることによって制御できるのではないかと考えられています。まだ規模が小さな台風の中心部に、飛行機などを使い大量のドライアイスを散布するといった計画案があります。
また海水温の高さも大きく影響しています。海水は深さによりかなり温度差がある為、巨大なスクリューの様なもので海を撹拌するといった方法が考えられています。

風呂を追い炊きした時には、湯船の表面と底のほうでは温度差がある為、かき混ぜることによって温度は均一になります。
同様に海の中をかき混ぜることができれば、海面付近の温度を下げることができます。ただし海の場合には、数mでなく100mほどの深さまでかき混ぜる必要があるため技術的には大変困難ですが、実現すれば台風の発達を制御できるのではないかと期待されています。

台風の発生自体を抑えるのが良いようにも思われますが、台風にもメリットがあるようです。
一つは、台風に伴う大雨による夏場の水不足の解消です。今年は空梅雨だったため、一時期水不足が心配されました。台風には発達しませんでしたが、全国的に集中豪雨が続くことにより水不足は解消されました。
また台風の通過により、日本近辺の海がかき混ぜられるといった効果があります。
先ほどの台風制御の計画で、人工的に海を撹拌する方法が検討されていますが、それと同様の現象が台風の通過により起きています。
海面付近の温度が高過ぎる状態は、海の生き物にとって好ましい生息環境ではありません。台風の通過により生態系が良好に保たれているといった側面があります。

また台風制御には良い面だけでなく、それに伴う問題点も想定されています。
ドライアイスの散布や海の撹拌により台風が縮小するのは良いことですが、進路が変わってしまう恐れがあります。本来通過する予定だった地域では助かりますが、反対に進路変更により台風の影響を受ける人々にとっては、納得がいかないかと思われます。
コンピューターによるシミュレーションである程度の推測はできますが、実際人工的に介入した後では、本来どのような進路を取っていたのか確かめようがありません。

しかし更に科学が進歩し、台風の発達だけでなく進路も調整できるようになれば、そのような問題も解決できます。陸地への影響は少なくし、海沿いを進むことによって海が撹拌され、日本列島には適度に雨が降るように調整できると安心です。
最近は日本だけでなく、地球規模で異常気象が起きています。集中豪富が続き河川が氾濫する一帯がある一方、全く雨が降らず干ばつとなっている地域が見受けられます。
それほど簡単な話ではないのかもしれませんが、将来的には台風以外の異常気象に対しても、被害を抑える為に人工的に制御することが当たり前になるのかもしれません。

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