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小型LDLコレステロール

2022/12/16

そのほか

こんにちは、にこにこスタッフ森田です。


体脂肪や内臓脂肪が増え過ぎると健康に様々な悪影響を及ぼしますが、それは血液中に存在する脂質の量が増え過ぎた場合も同様です。
脂質の量は血液検査の基本項目となっており「中性脂肪」「HDLコレステロール」「LDLコレステロール」の値が基準値から外れているかどうかで判断します。基準値から外れていると「要注意」と判定され、『脂質異常症』と診断されます。脂質異常症は以前は「高脂血症」と呼ばれていました。

一般的にはHDLコレステロールは善玉コレステロール、それに対してLDLコレステロールは悪玉コレステロールと呼ばれています。コレステロールと聞くと健康に悪いイメージがありますが、人の体にとっては必要不可欠な脂質です
細胞膜の合成に必要ですし、食物由来の脂肪分を消化・吸収する時に働く胆汁酸の原料になります。また生体内の様々な働きを調節しているホルモンの原料の一部にもなっています。
ただし血液中のコレステロールの量が過剰であったり反対に不足している場合には、動脈硬化を引き起こすリスクへとつながります。

悪玉コレステロールと呼ばれるLDLコレステロールは、血液の流れと共に肝臓から全身の細胞・血管にコレステロールを運びます。それに対して、HDLコレステロールは血液中の余分なコレステロールを回収し肝臓へと戻します。
血液中のLDLコレステロールが多すぎる状態は健康上問題があります。またコレステロールが酸化されることによって、より体に悪影響を及ぼします。

LDLコレステロールは血管壁を傷付けます。またLDLコレステロールは傷付いた血管壁に入り込むことがあり、それを白血球が攻撃するのですが、その残骸として血管壁にプラークと呼ばれるコブが生じます。そのような状態が続くと徐々に血管は硬くなり『動脈硬化』が進行します。
プラークが生じると血管内腔は狭くなり、血流障害が起こります。またそのプラークが傷付くと血栓となり大変危険です。剥がれた血栓は体のどこかの血管で詰まってしまう恐れがあります。脳梗塞や心筋梗塞が起きると生死に関わってきますし、後遺症が残る場合もあります。

健康な人の血液にもLDLコレステロールは存在しますが、余分なコレステロールはHDLコレステロールにより肝臓に回収されるため、通常は血管内に問題は生じません。
それがLDLコレステロールが過剰になり、反対にHDLコレステロールが不足してしまうと、血液中に余分なコレステロールが溢れてしまいます。

また、血液中の中性脂肪は動脈硬化の直接の原因にはなりませんが、量が増加することによってLDL/HDLコレステロール両方の値が悪化することがわかっています。
更に高血圧症や糖尿病などの基礎疾患が合わさりますと、動脈硬化となるリスクは飛躍的に増大します。

それを予防するために血液検査をおこない、問題がある場合には生活習慣の見直しや薬を服用することで改善を目指します。
ただし最近は、現在の一般検査項目にない『小型LDLコレステロール』の存在が注視されています。LDLコレステロールには様々なサイズのものがあるのですが、小さなものほど体にとって悪影響を及ぼすことがわかってきました。

この小型LDLコレステロールはサイズが小さいため、血管壁のすき間に入り込みやすいといった性質があります。また、通常のLDLコレステロールと比べ血液中に長い時間滞留します。そういった特性からより血管にダメージを与えやすく、「超悪玉コレステロール」とも呼ばれています。

LDL/HDLコレステロールが基準値の範囲内であっても、動脈硬化が進行している場合があります。
他の基礎疾患の有無など要因はいくつか考えられますが、その一つとして小型LDLコレステロールの量が影響することがわかってきました。LDLコレステロールの値に問題がないとしても、その中に含まれる小型LDLコレステロールの量が多ければ動脈硬化のリスクは高まります。

現在は通常の血液検査項目には入っておらず、実施している医療機関は限られていますが、将来的には通常の検査に追加される可能性が高そうです。
一つの目安としては、LDLコレステロールが基準値以内だとしても、中性脂肪の値が高い場合は「小型LDLコレステロール」の量が増えているおそれがあるそうです。
改善策としては「食事内容」「運動習慣」など、通常の脂質異常症と同様の対応方法とされています。

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