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小型LDLコレステロール2

2022/12/23

そのほか

こんにちは、にこにこスタッフ森田です。


脂質・脂肪と聞くと体に悪いイメージがありますが、人にとって適度な脂質は必要不可欠です。しかし、健康診断で『脂質異常症』と診断された場合は、健康にとって好ましい状態ではないため注意が必要になります。
脂質異常症は【中性脂肪】【HDLコレステロール】【LDLコレステロール】3項目の値を基準値と照らし合わせ判断をおこないます。ただし最近では、それに加え『小型LDLコレステロール』の値が注視されています。
LDLコレステロールには大小様々なサイズがあるようです。なぜ小型化するのかはわかっていませんが、小さなサイズのものほど血管に与えるダメージが大きくなります。

LDLコレステロールが増え過ぎると、血管壁の内側が傷付けられます。そして傷付いた血管壁に入り込むことがあり、それを見つけた免疫細胞のマクロファージが自身の中に取り込みます。取り込んだマクロファージは変化し、そのまま血管壁に沈着します。血管壁にコブができたような状態で「プラーク」と呼ばれるのですが、そのプラークはとても破れやすく、危険な「血栓」の原因になります。
プラークができ血管内腔が狭くなると、血流が妨げられ血圧は上昇します。また血管壁の傷が増加してくると、徐々に血管は硬くなり『動脈硬化』が進行し更に血圧は上昇します。
糖尿病や高血糖、また歯周病が悪化した状態も血管には大きなダメージが加わりますので、そのような基礎疾患があると心臓や循環器疾患の発症リスクは更に高くなります。

脂質異常症の改善には、食事内容と運動習慣を見直す必要があります。また睡眠やストレス・喫煙なども影響するとされています。
「中性脂肪」に関しては、有酸素運動と摂取カロリーを抑え栄養バランスの取れた食事内容に見直すことで、数値は改善しやすいようです。また、アルコール摂取や運動とくに有酸素運動をおこなうことで「HDLコレステロール」の値も比較的改善しやすいとされています(適量のアルコール摂取により、HDLコレステロールが増加することがわかっています
一方「LDLコレステロール」は、食事・運動習慣を見直しても、なかなか数値が下がりにくいといった特徴があります。

血液検査の結果で「気を付けなければいけない項目」は複数あります。血糖値や尿酸値・肝機能の値など、基準値を超えている人は多くいます。しかし重度に進行していなければ、食事内容と運動習慣を見直すことによって多くは改善します。
ただしLDLコレステロールの場合は、食事内容を見直し有酸素運動を始めてみても、数値の改善につながらないことが多いようです。
また数値の改善がみられたとしても、生活を元に戻すと再び基準値を超えてくる恐れがあります。その辺りはダイエットとも似ており、目標に到達した後、その状態を維持し続けることの難しさがあります。

LDLコレステロールが食事と運動で改善しにくい理由としては、食事からの摂取だけでなく、元々体内(主に肝臓)で生成されるといった点が関係しています。コレステロールは体にとって必要な脂質であり、食事からの摂取を急激に減らすと、体内での生成量を増やすことで調整されます。
これにはホメオスタシス(体内の状態を一定に維持する働き)が関係しています。人体のホメオスタシスにより体温はほぼ一定に保たれていますが、ダイエット時も同様に働いてしまうため、思ったように体重を落とせなくなります。

またLDLコレステロールの上昇には、遺伝的要因や基礎疾患・女性ホルモンなども関係しています。
以前は、食事からのコレステロール摂取をできるだけ控えるよう啓発されていました。しかし体内で生成される割合の方が高いことがわかってきました。実際食事由来のコレステロールがどれほど影響しているのか、まだ詳しくわかっていないようですが、個人差が大きいのではないかと言われています。

生活習慣の見直しで数値が改善せず、他に基礎疾患を有している場合には、動脈硬化の予防のため薬の服用が必要となることがあります。
食事由来のコレステロールによる影響についてはわからない点がありますが、それでも脂質異常症と診断された場合には、運動習慣・食事内容(特にコレステロールが多い食品や飽和脂肪酸を多く含む動物性脂肪・またトランス脂肪酸(マーガリンなど))は見直したほうが良いかと思われます。

生活習慣の見直しによりLDLコレステロールの数値が下がりにくいとしても、他の検査数値は改善しますし、健康全般にとっては大きくプラスになります。
特に最近注視されている『小型LDLコレステロール』は「中性脂肪」の値に比例して増加すると言われています。無理なく続けられる範囲で運動をおこない、食事由来の糖質/脂質(不飽和脂肪酸は除く)を控えることで「中性脂肪」の値は改善につながります。

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