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中性脂肪2

2023/01/06

そのほか

こんにちは、にこにこスタッフ森田です。


健康診断の結果で『中性脂肪』の数値が基準値より高い人が最近は増えているそうです。若い年齢層でも多くみられ男性は30代、女性では50代辺りからとくに増加します。
脂質(とくに飽和脂肪酸)が多い食事を摂り続けていると、中性脂肪の数値は高くなります。一方「糖質」の摂取量が多過ぎる場合にも中性脂肪の数値は高くなります。

食事から消化吸収された糖はエネルギー源として利用されますが、余った分は筋肉や肝臓にグリコーゲンとして貯蔵されます。
運動・活動時はまず血中の糖が消費されます。血中の糖が不足した状態で更に運動を続けると、次は貯蔵されているグリコーゲンが分解され、エネルギー源として利用されます。

しかし食事から摂取する糖質量に対して、運動・活動によるエネルギー消費量が少ない場合には、グリコーゲンが過剰となり貯蔵できる量を超えてしまいます。
その状態でさらに糖質を摂取し続けると、体内で余分となった糖から中性脂肪が合成され、脂肪細胞や肝臓に貯蔵されます。生体内ではこのような働きがあるため、糖質の過剰な摂取は中性脂肪の増加を招きます。

運動・活動時のエネルギーとして利用しやすいのは「糖」です。しかし生体内に貯蔵されているエネルギーの総量は、グリコーゲン(糖)より「中性脂肪」のほうが遥かに多くなります。
糖と脂質では、1gあたりのエネルギー量が異なります。糖質は1gあたり4kcalであるのに対して、脂質は1gあたり9kcalになります。
単純に比較すると、同じ重量では脂質の方が2倍以上のエネルギーを貯えることができます。更にグリコーゲンは水分子と結合しやすく重量が増加するため、実際にはそれ以上の差が表れるようです。

もし全てのエネルギー源をグリコーゲンで貯蔵すると、ヒトの体重はずっと重くなります。軽自動車と比較して、重量の大きな大型車は燃費効率は良くありません。同様に、ヒトも体重が増加することで燃費効率は悪くなります。
エネルギーの貯蔵といった点においては「中性脂肪」が優れています。
しかし利用効率においてはグリコーゲン(糖)の方が優れており、またエネルギー源として中性脂肪を利用するには多くの酸素を必要とします。
健康診断の結果「中性脂肪」が高い場合や、ダイエットで体脂肪を減らしたいと考えている人にとっては、筋力トレーニングなどの瞬発的な運動より、比較的強度の低い「有酸素運動」が適しています。


メタボリックシンドロームなど体脂肪は体にとって良くないイメージがあります。実際、体脂肪とくに内臓脂肪が多くなると健康に悪影響を及ぼすことがわかってきました。

人類の直接の祖先が地球上に誕生したのはおよそ20万年前とされています。それからの長い歴史の中で、食べる物に困らず、手元や身の回りにいつでも食物が存在するような状況はほんとうにごく最近のことです。
野生動物が生息する自然界において、継続的に食べる物が溢れている環境はほとんど無く、基本的に動物は、限られた食物をより効率的に利用・貯蔵できるように進化してきたのだと思われます。
自然界の動物はいつ食糧にありつけるかわからないので、獲物が獲れた時には目一杯食べ、沢山のエネルギーを補給しています。人間も含め基本的に動物は、満腹中枢より摂食中枢の方が強く働いているように思われます。

先進諸国では毎日3度食事を摂る人が多いため、摂取エネルギーは多過ぎる状態です。それに対し昔より活動・運動量が低下しているため、消費エネルギーは減少しています。
本来自然界では、慢性的に体脂肪が多過ぎる状態は起こりえなかったのではないかと思われます。それが現在のように食料が溢れている状況においては、効率的に「中性脂肪」としてエネルギーを貯蔵できるシステムが却って健康に悪影響をもたらしています。

環境変化に対して私たち人間は、短期間で適応し進化することが出来ません。
そのため、十分なエネルギーを貯蔵しているにもかかわらず食べ続けてしまうのかもしれませんし、また動物の本能としては、それが自然な状態のようにも思われます。
しかしそのままに食べ続けていると、「中性脂肪」は増加し生活習慣病のリスクが高まります。健康維持のため私たち現代人は「食欲を抑え意識的に食事量をコントロールする」といった、動物の本能的には不自然な状況となっているのかもしれません。

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