ブログ・お知らせ
強剛母趾
2023/01/27
そのほか
こんにちは、にこにこスタッフ森田です。
足の親指(母趾)の付け根が痛くなるといった経験はありますでしょうか。
男性でよくみられるのですが、尿酸値が高くなり痛風発作がおきることにより突然母趾に激痛が生じることがあります。相当な激痛であり、ピーク時には歩けない程痛むそうです。
他には、母趾の付け根の関節(MTP関節)がくの字に変形する外反母趾でも痛みが表れることがあります。また関節リウマチの症状としてみられることがあります。
一方あまり耳にすることは少ないのですが、『強剛母趾』と呼ばれる疾患でも母趾の付け根に痛みが生じることがあります。
痛風発作は、突然激痛が表れ2~3日が痛みのピークとなった後は徐々に治まってくるそうです。また、外反母趾はMTP関節に大きな変形が見受けられ、関節リウマチでは左右の関節に同時に症状が表れることが多いといった特徴があります。
しかし強剛母趾では、MTP関節に外反母趾のような大きな変形はみられません。骨棘と呼ばれる骨のとげが発達すると目立ってきますが、初期の段階ではあまり変化がありません(外反母趾と強剛母趾が併発することがあるようです)
強剛母趾は母趾を上(甲側)に反らせる時に痛みが生じるといった特徴があります。爪先立ちやハイヒールを履いている時、また片膝立ち・正座で足の指を立てるといった動作は母趾を上に反らせた状態です。
症状が進行すると、歩行時の蹴り出しでも痛みが表れます。更に症状が進行した状態では、関節の可動域が制限され母趾を上に反らせることが出来なくなります。
関節軟骨が擦り減り膝関節が変形する「変形性膝関節症」はよく知られていますが、MTP関節で同様の症状がおきている状態が強剛母趾です。
膝関節と同じようにMTP関節にも関節軟骨が存在します。その関節軟骨が擦り減ってくると、炎症がおき痛みや腫れが生じます。更に軟骨が擦り減ってしまうと、骨と骨のすき間が狭くなり関節可動域が制限され、母趾を上に反らすことが出来なくなります。
しかしそこまで進行する前に、立ち上がり動作や歩行時に痛みが続くため日常生活に支障が表れてきます。
加齢とともに全ての人が発症するわけではありません。なぜ強剛母趾がおきるのか、その原因はまだよくわかっていないようです。
運動時の刺激により繰り返し軟骨に細かな傷がつくことが一つの要因として考えられています。また履いている靴であったり、先天的な骨の形の影響があるのではないかと考えられています。
普段より長時間歩いたり、母趾を反らせた状態で長時間片膝立ちをしていると、MTP関節に痛みが表れることがありますが、大概は数日経過すると痛みは治まります。
しかし、突然の激痛や日を追うごとに痛みが酷くなるような場合には、病院を受診することが大切です。
強剛母趾による痛みが表れた時は、まずは局所に強い負担をかけず安静にすることが大切です。
MTP関節の負担を軽減するための専用の足底版や靴などがありますし、症状が進行し痛みが強く関節可動域の制限がみられる時には、手術の適応になるそうです。
母趾を上に反らせた状態で片膝立ちの姿勢をとる機会は、意外と多いのではないかと思われます。
私も以前MTP関節が少し痛むことがありました。痛みとの関係はわからなかったのですが、マッサージをおこなう時に片膝立ちの姿勢をとることがあったため、そういった姿勢に気をつけることで痛み症状は治まりました。