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トマト2

2023/03/03

そのほか

こんにちは、にこにこスタッフ森田です。


以前テレビで、大勢の人がトマトを投げ合うといったお祭りの映像が流れていました。年に一度スペインでおこなわれており、参加するために海外から多くの観光客が集まるそうです。
スペインやイタリアなどの地中海沿岸諸国では、1年間に多くのトマトが消費されています。トマトはサラダに利用されるだけでなく、料理やソース・ケチャップとしての消費量が大変多くなっています。日本のトマトと比べ酸味が強い品種のため、生で食べるより料理することによって旨味や甘味が引き出されるそうです。
日本でもソースやケチャップ・料理に利用されますが、それ以上にサラダとして生で食べる機会が多いかと思われます。日本で栽培されているトマトは、品種改良により甘く皮が柔らかくなっているためサラダに適しています。

栄養面からすると、加熱調理せず生で食べるほうが水溶性ビタミンは失われません。しかし葉物野菜の場合は、加熱調理により沢山の量を食べることができますし、また消化しやすくなります。
トマトに関しては、ビタミンCなどの水溶性ビタミンが含まれていますので、生で食べることのメリットがあります。とくに食欲が低下しがちな夏場でも、冷蔵庫で冷やした生のトマトは食べやすい上に、酸味成分であるクエン酸による食欲増進効果が期待できます。

一方、加熱調理によるメリットもあるようです。
トマトの特徴である赤色はリコピン』とよばれる色素によるものですが、リコピンには大変強い抗酸化作用があることがわかっています。ビタミンEには強い抗酸化作用があることで有名ですが、リコピンはそれを上回る効果があるとされています。このリコピンは熱に強いといった特徴があり、加熱調理したほうが体内での吸収率が高くなることが分かっています。

体内の活性酸素の量が多くなり過ぎると、体に様々な弊害をもたらします。活性酸素は老化や生活習慣病・肌のしわやしみなどの原因とされています。リコピンにはとても強い抗酸化作用があるため、活性酸素による悪影響を抑制します。また、血中のLDLコレステロールの酸化を防ぐ効果が期待できます。

以前にLDLコレステロールについて書きました。
血中のLDLコレステロールが増加すると、それに伴い動脈硬化のリスクが高まります。しかし最近の研究では、LDLコレステロールが酸化した状態である酸化LDLコレステロールが、動脈硬化のリスクと直接結びついているのでないかとされています。
ただしLDLコレステロール自体が多くなると、当然酸化LDLコレステロールの数も増加しますので、まずはLDLコレステロールを減らす必要があります。
最近とくに危険因子と考えられている小型LDLコレステロールは、通常のLDLコレステロールよりも血中に漂う時間が長いことがわかっており、それによって酸化される確率がより高いのではないかと推察されています。小型LDLコレステロールが多い場合は、酸化LDLコレステロールの占める割合が更に高くなっている可能性があります。

トマトにはリコピンの他に、同じく抗酸化作用のあるビタミンⅭも含まれています。またカリウムが多く含まれており、体内の余分な塩分(ナトリウム)の排出を促す作用があります。体内の塩分量が増加すると血圧が高くなります。血圧が高くなることでより動脈硬化のリスクが高まりますので、塩分の排出作用は重要です。


寒さが少しずつ落ち着いてきたのですが、スギ花粉症の季節が始まりました。
花粉症の症状軽減を期待できる食品として、ヨーグルトや青魚・梅干し・チョコレートなどがあります。反対に症状悪化につながる食品があり、スギ花粉症のヒトはトマトに注意が必要とされています。
トマトに含まれるたんぱく質がスギ花粉のアレルゲンと似ているため、スギ花粉症の人がトマトを食べると喉がいがいがしたり、口の中や舌がピリピリと痺れるような症状が出る場合があり「口腔アレルギー症候群」と呼ばれています。
トマトを加熱調理することによりたんぱく質が変性するため、調理・加工したトマトでは発症しにくいようです。

しかし、トマトの色素成分であるリコピンには抗酸化作用だけでなく、継続して摂取することにより花粉症の症状が軽減するといった研究結果が報告されています。この研究では花粉アレルギーに対する反対の結果が出ています。しかしまだ一部の研究のようですので、これから更に多くの研究が進められることを期待します。
スギ花粉症であっても生のトマトを食べられる人は多くおられますが、食物アレルギーは個人差が大きく、時には重症化することがあるため充分に注意が必要です。スギ花粉症の症状が強い人や、トマトを食べた時に口の中に違和感を感じる場合には避けたほうが良さそうです。
しかし、リコピンを含めトマトには体にとって有益な栄養素が沢山含まれています。アレルギーがなく味が苦手でなければ、しっかりと摂っていきたい食品の一つだと思われます。

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