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慢性炎症を予防しましょう
2023/03/24
そのほか
こんにちは、京都の訪問マッサージにこにこスタッフの森田です。
新型コロナウイルス感染後に長期にわたり後遺症が続くことが問題となっており、現在も原因解明のための研究がおこなわれています。体内で『慢性炎症』が長期間続くことが、要因の一つではないかと考えられています。
多くの研究により『慢性炎症』は様々な生活習慣病やガンなどの疾患と関係していることがわかってきました。また「老化」との関連性も調べられています。
「炎症」の種類には急性炎症と慢性炎症があります。
転倒しケガをした時や、細菌・ウイルスが体に侵入し体の組織が損傷された時に、体を守る為におきる生体反応が「炎症」です。
免疫細胞が働き、細菌・ウイルスなどの病原体の増殖を防ぎ除去します。また炎症部位には血流が集まり、損傷した細胞や組織が修復されます。
炎症がおきると「疼痛・発赤・発熱・腫脹・機能障害」といった特徴的な症状が表れます。転倒し強く打撲した部位は、赤く腫れ熱感があり痛みを伴います。また痛みや腫脹により動きに制限がかかることもあります。
急性炎症では特徴的な症状がはっきりと表れますが、慢性炎症は軽度の症状であったり、表面的には症状が表れない場合もあります。
また急性炎症は症状が強いかわりに早くに治まるのに対し、慢性炎症は数ヶ月~数年続くことがあります。
慢性炎症がおきている疾患には喘息やアトピー性皮膚炎・関節リウマチなどがあります。
体の内部で慢性炎症がおきているとしても、症状として表れなければ気付かないまま放置され、検査や臓器の機能が障害されたときに初めてわかることがあります。
体内の炎症度合いは血液を調べることでわかります。
通常は加齢とともに炎症を示す数値が高くなるのですが、長寿の人の血液を調べてみると、数値がとても低いことがわかりました。
研究により、細胞が老化すると炎症を誘発するサイトカインとよばれる物質の分泌の増加が確認されています。生体の代謝の一環として老化した細胞は除去されるのですが、加齢とともに除去しきれなくなり、少しずつ蓄積していきます。それによって分泌されるサイトカインも徐々に増加します。
サイトカインは免疫反応においてとても重要なのですが、分泌が多過ぎると体内で過剰に炎症がおきてしまい、様々な悪影響を及ぼします。
内臓脂肪が多くなり過ぎると、脂肪組織からも炎症性サイトカインが分泌されることが確認されています。内臓脂肪が多い人の体内では、長期にわたり慢性炎症がおきている可能性があるため注意が必要です。
また内臓脂肪が多く肝臓の脂肪も増加していると、NASH(非アルコール性脂肪肝炎)の発症リスクが高まります。NASHは肝臓で慢性炎症がおきている状態であり、悪化すると肝硬変や肝がんに進行する恐れがあります。
また脂肪組織から分泌されるサイトカインが多くなり過ぎると、血糖値を下げる作用のあるインスリンの効き目が弱くなることがわかってきました。インスリンの効果が弱まってしまうと、糖尿病を発症するリスクが非常に高まります。
体内の慢性炎症については、まだわかっていないことが多く現在も様々な研究がおこなわれています。
生活習慣病の予防と同様で「栄養バランスの取れた食事」「睡眠」「適度な運動」を心がけることが、慢性炎症の抑制につながるようです。慢性炎症がおきる要因は内臓脂肪だけではないのですが、内臓脂肪が増え過ぎると様々な病気のリスクが高まりますので注意が必要です。
皮下脂肪と比べ内臓脂肪のほうが増えやすいのですが、反対に運動や食事の節制により早くに減少するのは内臓脂肪であり、改善効果が得られやすいといった特徴があります。