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毛細血管

2023/02/03

そのほか

こんにちは、にこにこスタッフ森田です。


冬場に気温の低い場所で長時間過ごしていると手や足先などの末端部が冷え、酷い場合にはしもやけになることがあります。冷え性の人はとくに大変で、冬だけでなく夏場のエアコンでも手や足先が冷えて困るそうです。
糖尿病などの疾患があると冷え性がおきやすくなりますが、元々の体質による影響が大きく関係します。

人体は外気温が低くなると交感神経が優位となり、手や足先の末端部の血管が収縮します。末端部の血流から熱が奪われるのを防ぐことで、体の中心部の体温が一定に維持されます。そのため人の体温は全身均一ではなく、中心部と比べ末端部は外気温の影響を受けやすい状態になっています。
体の中心部には重要な臓器があるため優先されます。一方、末端部は元々外気温の影響を受けやすい上に、血管が収縮してしまうことで更に冷え症状が進行します。
血液は酸素や栄養を細胞に運ぶだけでなく、熱を伝えるといった重要な働きがあります。

低温下で末端部の血流が悪い状態が長時間続いてしまうと、細胞や組織が障害され、酷い場合には凍傷になります。手や足先・耳・鼻は、とくに外気温の影響を受けやすい箇所です。
しかし一度冷えきった手や足先を急にお湯で温めてしまうと、一気に血管が拡張してしまい、指先に腫れや痒み・痛みなどの症状が表れることがあります。

体の主要な臓器間をつなぐ動脈や静脈は大変重要であり、血管の損傷により命を失うおそれがあります。
一方『毛細血管』は、とても細く1本あたりの血流量はわずかなため、多少損傷したとしてもすぐに命にかかわるようなことはありません。しかし、体内に張り巡らされている全血管の9割以上が毛細血管で占められており、体全身の細胞に栄養や酸素・熱を送り届けるといった重要な働きをしています。

手や足にも主要な動脈・静脈が通っていますが、皮膚や末端の組織は毛細血管により血液が送り届けられています。
また脳や骨にも毛細血管が張り巡らされています。骨も皮膚と同様に、日々古い細胞が壊され新しい細胞に作り替えられており、その時充分な栄養が供給されないと丈夫な骨が作られず、骨粗しょう症のリスクが高まります。
丈夫な骨を維持するためには、カルシウムやビタミンⅮなどの栄養だけでなく、その血液を骨細胞に送り届けるための毛細血管が必要です。そのためには毛細血管が良好な状態であることが重要です。毛細血管の健康度合は皮膚の状態に表れやすいとされています。

何らかの原因により毛細血管の血流が悪化し末端部まで充分に流れない状態が続くと、しだいに血管は細くなり機能を失ってしまいます。さらに状態が悪化すると最終的に毛細血管は消失します。そのような毛細血管は「ゴースト血管」とよばれています。
「ゴースト血管」が増加すると、元々それらの血管から酸素や栄養が供給されていた細胞・組織の代謝に大きな悪影響をもたらします。また血液による熱の伝達も不十分となり、冷え性の悪化につながります。

「ゴースト血管化」が進む要因の一つは加齢です。加齢とともに血管自体も老化し、毛細血管の機能が低下します。また他の要因として、血糖値の上昇が血管に大きなダメージをもたらすことがわかってきました。
血糖値が高い状態が続くと血管の内皮細胞が障害されます。太い血管にも影響が及びますが、まずは細い毛細血管がダメージを受けてしまいます。糖分を摂り過ぎず血糖値の上昇に気を付けることが「ゴースト血管」の予防につながります。

甘いものを食べ過ぎると体が冷えると言われています。
一つの理由としては、血糖値が乱高下することによって体温調節機能に影響が及んでいると考えられます。また日常的に過剰な糖分を摂取することにより、末端部の毛細血管の機能が低下してしまい、手や足先の血流が悪化しているおそれがあります。
「ゴースト血管」を予防し冷え性を悪化させないためには、全ての健康の基本ですが、食事の改善と適度な運動・充分な睡眠が大切です。睡眠不足自体が冷えの原因となりますし、また睡眠時に傷ついた毛細血管は修復されるため、質の高い睡眠がとても大切です。

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