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発酵と熟成

2023/05/05

そのほか

こんにちは、京都の訪問マッサージにこにこスタッフの森田です。


数年前に「熟成肉」がブームになり、その後よく見かけるようになりました。
また最近では「熟成寿司(魚)」や「熟成さつまいも」など、様々な『熟成』食材が出てきています。

昔からおこなわれている「ワインの熟成」はとても有名です。熟成させることによって、香りや味・色が変わります。長期間熟成されたワインは価値が上がり、販売価格も高くなっています。
身近なところでは、カレーを一晩寝かせることであったり、パン生地を寝かせる工程を熟成とよぶことがあります。
『熟成』と名がつく食品は、他にも日本酒・ウイスキー・しょう油や味噌・チーズ・キムチやぬか漬けなど様々なものがあります。

ただし熟成』については、厳密に定義されている訳ではないようです。
様々な食品に熟成という名が付いていますが、作業工程やその食材におきている化学変化にはそれぞれ違いがあります。
一般的には「食品を寝かせる、長く置くことによって、味・香り・色・食感などに良い変化が表れること」が『熟成』とよばれています。
酵母や麹などの微生物が生成する酵素であったり、その食材自体に元々含まれる酵素により成分が化学変化し、結果的に味や香りに深みがうまれます。
またウイスキーの熟成では、保存する樽の影響も大きく関係します。

カレーを一晩寝かせることにより味が変化します。時間の経過や加熱/冷却を繰り返すことにより、徐々に肉や野菜の成分がスープに溶け出し、その成分とスパイスが均一に混ざり合うことによって、味に変化や深みが表れるようです。
『熟成』という名がつく食品は色々ありますが、味や香りを変化させる要因は様々です。
ただ長く放置することによって、食品が劣化し傷んでしまう状態は熟成とはよびません。食品の熟成は「温度・湿度・風・時間」などの厳密な管理により美味しくなります。

その『熟成』と似ているのが『発酵』です。
熟成には様々な要因が関係しているのですが、程度に差はあれ「長時間寝かせる」ことが条件となります。
一方の『発酵』は、微生物の働きや作用により、食品に有益な変化が表れる工程・状態のことを指します。
しかし熟成にも微生物が関わることは多くありますので、明確な線引きはなく、一つの食品の製造過程で『発酵/熟成』の両方がおこなわれている場合もあります。

例えば、日本酒やワイン・しょう油・味噌・漬物・チーズなどは『発酵/熟成』の両方がおこなわれています
一方、肉・寿司(魚)・カレーなどは微生物が関与しないため『熟成』のみです。
それに対し、納豆やヨーグルトは比較的保存期間が短いため、『発酵食品』ではありますが熟成とはよばれません(商品名に熟成と入っていることがあります)

一方、微生物の中には食中毒をもたらす菌やカビも存在しています。
そのような人に害をもたらす微生物により、食材が劣化し傷んでしまうような変化は「腐敗」とよばれます。
『発酵』と「腐敗」はどちらも微生物が関与し表れる変化ですが、その変化後の食材が「人にとって有益か、もしくは有害か」といった違いで呼び名が異なります。


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