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座位について

2021/01/08

施術に関すること

こんにちは、にこにこスタッフ森田です。


私たちがお伺いする訪問マッサージの患者様は、ご自身での通院が難しく、医師により筋萎縮筋麻痺関節拘縮が確認され、訪問が必要であると認められたかたが対象となります。

長期間寝たきりで筋肉が働いていないと、筋肉の廃用性萎縮がおきます。コラーゲンが消失し、筋組織は弾力を失い硬くなります。その状態が続くと、脳はその筋肉を不要と判断し、動きに制限がかかります。

筋肉が働かなくなると、次は関節に影響します。関節が動くには、筋肉の働きが必要であり、関節を動かさなくなると、今度は関節の拘縮が起き始めます。
組織が柔軟な若い人でも、骨折などで長期間ギブスをつけると拘縮は起こります。

それを防ぐために、寝たきりが続いている方も、動かせる筋肉を少しでも動かし続けることで、血流が流れ、筋組織が維持・回復されます。拘縮が起き始めの関節の場合は、可動域が広がる事もあります。
よって、長期臥床された状態でも、マッサージで緊張した筋肉をほぐし、筋肉・関節を動かしていくことはとても重要です。


また、当院では、長期臥床されている患者様にも出来るだけ座位姿勢をとって頂いています。
身体状態を確認し、マッサージ・運動療法後にベッド上で座位に体位を移し、可能な方は肩や体幹のストレッチを行います。

健康な人にとっては「座る」という行為は何気なく感じられます。しかし、長期臥床が続いている方が安定した座位姿勢をとるには、まず体幹を保持できる筋肉が必要です。
そして、筋肉や骨の役割も大きいのですが、重力に対してのバランス感覚を取り戻す必要があります。

人の体にとって、体幹が垂直に立った状態に対して、重力がかかることは大変重要です。
寝たきりの姿勢では、嚥下機能が低下し、誤嚥性肺炎のリスクが高くなります。
呼吸器系や循環器系の生理機能の働きも低下します。また、胃腸のぜん動運動が減少し、消化吸収、排泄の働きも低下します。

寝ている体を起こし適切な座位を取ることで、体幹を立てようとインナーマッスルが使われ、中枢神経がバランスを取るため活動します。重力が働くことで腹圧がかかり、胃腸のぜん動運動が促されます。

座位の姿勢が安定するにしたがい、狭まった胸郭が開き、呼吸は深くなり、酸素を多く取り入れることにより血流の流れは良くなります。
背筋が伸びることで、食事の姿勢・嚥下機能が改善し、誤嚥の予防につながります。

また、体を起こし座ることで、視界が大きく変わり、心理面にも良い影響をもたらします。

寝たきりの方が座位姿勢をとることは、それ自体が筋力強化の運動であり、ストレッチであり、リハビリとなります。
誤った姿勢で長時間座ることは褥瘡が起きる原因ともなりますので注意は必要ですが、股関節、膝関節の可動域が十分で、身体的に問題なければ、「座る」ことのメリットは多くあります。


現在、在宅にてご家族様のケアをされている方が増えています。患者様の寝たきりが続き、体を動かせず不安になられている方は多くおられると思います。
患者様の状態改善のため、「座る」ことも含め、お部屋のベッド上で出来る施術、機能訓練、運動療法なども沢山あります。

続いている痛みや痺れなどは、全く動かさずにいると、より悪化していきます。筋力や関節の動きが改善することで、まず患者様本人の体が楽になります。
また、衣服の着脱やパット交換、移乗、トイレのサポートなど、ご家族様の負担の軽減にもつながります。


私たちにこにこ施術院では、一人一人に寄り添った施術を心がけています。
お困りごと、わからない点などございましたら、どうぞお気軽にご連絡お問い合わせください。


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