ブログ・お知らせ

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不随意運動

2021/01/29

日々

こんにちは、にこにこスタッフ森田です。


以前、こむら返りについての記事を書きました。
私たちが訪問している患者様のなかにも、時々こむら返りがおき痛くて困る、というかたが多くおられます。
こむら返りは医学名を有痛性筋痙攣といい、本人の意志とは無関係にふくらはぎの筋肉に力が入り、強く収縮することで、足がつった状態になります。

原因として、冷えや筋肉の使い過ぎ、脱水、ミネラル不足などがあります。また、糖尿病、肝硬変、腎不全や脊椎疾患があると、おきやすいと言われています。

その予防策として、足の後面を伸ばすストレッチやお風呂上りの足のマッサージなど紹介しました。


自身の意志で手足を動かすことを「随意運動」、無意識の状態で手足が勝手に動くことを「不随意運動」とよびます。
こむら返りは不随意的に筋肉が収縮することでおきています。

不随意運動の例として、パーキンソン病による手が震える動作があります。
かなり前の話ですが、元プロボクサーチャンピオンのモハメド・アリが、オリンピック聖火台での点火式にて、手が震えていたシーンが強く印象に残っています。
本人が止めようとしても、自然と手が動くことが特徴です。

不随意運動は「錐体外路」と呼ばれる神経経路に異常がおきることが原因です。
パーキンソン病や脳の疾患、また服用している薬なども影響します。


不随意運動はおきている体の部位や、早さ、リズムが律動的か非律動的かで分類わけされます。

  • ・振戦-体の一部または全体が、反復的にリズミカルに震える動作。運動の方向が一定していれば振戦、一定しなければミオクローヌスとなる。パーキンソン病で出現する震えがこれにあたる。

  • ・ミオクローヌス-筋肉に突然起きる瞬間的な収縮。振戦と違い運動の方向が一定しない。ミオクローヌスの例としては、しゃっくりがある。

  • ・バリスムス-片測の手や足を投げ出すような、最も激しい不随意運動。動きが大きく、心不全や骨折をおこすことがある。脳出血でみられることがある。

  • ・舞踏運動-顔、体幹、上下肢いずれの部位でもみられ、リズムやパターンは不規則。ハンチントン舞踏病、糖尿病などでみられる。

  • ・ジストニア-筋肉の持続的な緊張により、反復性の運動や姿勢異常がおきる状態。原因としては中枢神経系の疾患や服用する薬の影響などでみられる。痙性斜頸、眼瞼痙攣などがある。パーキンソン病では、神経伝達物質であるドーパミンが不足することで症状があらわれるが、ジストニアは、ドーパミンが過剰に分泌されることでおきる。

  • ・アテトーゼ-手足や身体を一定の位置に保つことができず、ねじる様にゆっくりと動かす不随意運動。代謝異常などでおきる。

  • ・ジスキネジア-ミオクローヌス、舞踏病、ジストニアなど色々な要素があり、それらが組み合わさっている状態をジスキネジアとよぶことがある。服用している薬などが原因となる。口周囲で起こると、ゆっくりと口をもぐもぐさせる、舌を左右に動かすといった動きがみられる。

種類はこれだけではなく、更に一つ一つが細分化されていますので、実際はかなり複雑になります。


私たちが訪問する患者様の中にも、施術時に不随意運動がおきるかたはおられます。
しかし、毎回ではないため、患者様のその日の体調であったり、施術時の姿勢、力加減なども影響しているのかと思われます。また、患者様の心の緊張状態が関係するとも言われています。

不随意運動は、無理な姿勢で長時間あらわれたり、必要以上に筋肉に力が入っていることもあり、身体にとっては大きな負担となります。

原因として、疾患や服用している薬も影響するため、症状の出現を止めることの難しさがあります。

しかし、寝ている時や座っている時の姿勢を少し変えることで、症状が出現したときの身体への負担を軽減できます。


不随意運動が起きている患者様の身体では、様々な部位に筋肉の過緊張がみられ、痛みの訴えが多くあります。

そのため私たちは、動かしている部位とは他の箇所にも負担が生じていないかなど、注意して施術をおこなうよう心がけています。


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