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転倒予防

2021/02/19

施術に関すること

こんにちは、にこにこスタッフ森田です。


ご高齢のかたにとって、転倒は大きなケガにつながる危険性があり、転ばないようにすることがとても大切です。

手足をついた時に骨折する事故が多く起きており、とくに、足の付け根辺り(大腿骨頚部)の骨折は治癒に時間がかかるため、寝たきりとなる恐れもあり、注意が必要です。
また、頭部を打つことで、大きなケガにつながってしまいます。

一度転倒したことにより、その時はケガがなくても、再度転倒する怖さから活動量が減ってしまい、それが筋力の低下を招く場合があります。


加齢により転倒リスクが高まる要因としては、いくつかあります。

  • ・下肢を中心とした全身の筋力の低下。

  • ・視力の低下、疾患による視覚への影響。

  • ・バランス感覚・平衡機能、バランスを崩したときに反応する速度の低下。

  • ・歩行時の姿勢が崩れることによる影響。

  • ・関節の柔軟性の低下。

こういったことに加え、足元の荷物や段差、履いている靴、手すりの有無なども関係してきます。

実際、高齢者の転倒事故は、室内で多く起きているため、室内環境を改めてチェックすることも大切です。


予防として、まず必要なことは、身体機能を維持していくことが大切です。

筋力運動バランストレーニングをしっかりおこなうことにより、転倒リスクを下げることができます。
つまずいた時に、ほんの少し早く反応するだけで、転倒せず、つまずきの状態で防げる可能性があります。
もし転倒したとしても、少し早く反応できているかどうかで、ケガの度合いが変わってきます。

また、運動することで、筋肉・骨が強くなっていると、転倒時に受ける衝撃を軽減できます。
運動と共に食事をしっかり摂取することで、80代のかたも筋肉は増えますので、肉や魚、卵、大豆、乳製品などたんぱく質を、献立に加えることをお勧めします。


ただし、転倒予防のためどういった運動が必要かとなりますと、「これだけしていれば大丈夫」といったトレーニングはありません。

重要なのは下肢の筋力ですが、体幹(腹筋・背筋)の安定も重要です。
また、肩甲骨周囲の筋肉が衰えると、姿勢が前かがみとなり、歩行への影響が出ます。

姿勢が前かがみになると、足を踏み出す時に高く上がらず、歩幅が狭く、すり足状になります。
そうすると、ちょっとした、段差につまずきやすくなります。

股関節や膝関節に疾患をかかえているかたは、体を横に揺らすような歩行の傾向があります。
そういった歩行の改善のためには、前傾姿勢のかたとは、少し異なったトレーニングとなります。


まず、足の運動として、膝・股関節をしっかりと伸ばす筋肉が必要です。椅子から立ち上がる動作です。運動としては、スクワットとなります。
太ももの筋肉が主に働きます。また、お尻の筋肉、背中の筋肉も使われています。

次に、膝・股関節を曲げる筋肉。立った状態で、片足を持ち上げる動作です。
太ももの筋肉や、体幹の深部にある筋肉が働きます。また、腹筋も関係してきます。
この筋肉が働いていないと、足がしっかり上がらず、すり足状になり、つまずきやすくなります。

体幹(腹筋・背筋)を鍛えるための運動も様々あります。
負荷の強い運動から、筋力が落ちているかたが無理なくできるトレーニングもあります。

猫背気味のかたは、肩甲骨周囲、上背部の運動も大切となります。
肩甲骨周囲の筋肉は、働きが悪くなっているかたはとても多くおられます。
ストレッチやマッサージで、筋肉や関節の働きを改善し、並行して運動をおこなうことがよいかと思われます。

脊椎の圧迫骨折の影響で、前屈みの姿勢になっているかたもおられますが、そのままですと、ますます上背部の動きが悪くなりますので、適度な筋肉と柔軟性は大切です。

足に関しては、太ももの筋肉が非常に大切ですが、ふくらはぎ・すねの筋肉の働きも必要です。
また、足首や足の指、足裏も関係しています。

バランス感覚、平衡機能も重要です。
バランス感覚が低下しますと、いくら筋力がしっかりしていても、つまずいたり、転倒しやすくなります。

そして、関節の柔軟性の低下を予防するため、トレッチや柔軟体操も効果的です。


普段、ウォーキングや散歩されているかたは、最も大切な全身の運動となります。
それに加えて、筋力運動やバランス訓練、ストレッチなど取り入れると、より効果的です。


結果、転倒予防には全身の筋力や柔軟性など、全ての身体機能が必要となりますが、実際、全て取り入れおこなうことは困難です。

全ておこなう必要はなく、一人一人の身体状態により、どの点を主力におこなうかは異なってきます。


私たちは、歩行が困難で、お一人で通院できない患者様のお宅に訪問いたしております。
室内において、つたい歩きや杖、歩行器、装具を用いて移動される患者様もおられます。

そういったかたは、とくに、転倒に気をつける必要があります。

一人一人の身体状態、生活状況、ご家族様のご要望をお伺いし、マッサージ・機能訓練といった施術をおこなっています。

現在、在宅ケアを選択されるかたが増え、ご自宅にて家族様がサポートされていることも多くあると思われます。
ご自宅での療養生活では、患者様の身体機能の状態により、家族様の負担の大きさが変わってきます。

患者様の体の痛みや、身体機能の維持・改善において、私たちがお手伝いできる部分もあると思われます。
お困りごと、わからない点などございましたら、どうぞお気軽にお問い合わせご連絡ください。


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