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関節

2021/04/23

そのほか

こんにちは、にこにこスタッフ森田です。


私たちがお伺いしています訪問マッサージは、歩行困難などにより、患者様ご自身で通院が困難なかたが対象となります。
寝たきりなど、体を動かさない期間が長く続きますと、筋肉の萎縮や麻痺関節の拘縮がおこります。
そうならないよう、筋肉の萎縮や麻痺の改善にはマッサージや運動をおこない、関節の拘縮が進まないようストレッチや可動域訓練をおこないます。


筋肉が収縮・伸展することで関節は動きます。したがって、正しく関節が機能するためには、正常に筋肉が働く必要があります。
一方、何らかの原因で関節に障害がありますと、筋肉の収縮・伸展に制限がかかり、筋肉の機能が衰えます。

程度に差はありますが、加齢とともに多くのかたは、体のどこかの関節に障害、変形がみられます。

関節は、骨と骨が連結している部分で、肩・肘・膝・股関節など、筋肉により様々な動きが可能となっています。
一方、頭蓋骨の縫合など、あまり動かない、もしくは全く動かないといった関節もあります。

個人差はありますが、関節の動く範囲は、部位ごとにおおよそ決まっています。
習慣的に、ストレッチや柔軟体操をおこなうことで、ある程度まで可動域は広がります。


関節はつぎのような構造となります。

  • 関節包ー関節部位を覆っている袋状の膜。この関節包の内側の膜が、滑膜とよばれます。

  • 滑膜滑膜にて、関節液が産生され、また古くなった関節液は吸収されます。関節液は粘り気があり、関節が滑らかな動きができるよう、潤滑剤として働きます。よく耳にするヒアルロン酸は、関節液の成分として含まれています。関節内で炎症がおこり、滑膜に炎症がおよぶと、関節液の粘り気が低下し、水っぽくなります。そうすると、関節が滑らかに動かなくなります。また、関節液の吸収量が減少し、関節全体が腫れてきます。いわゆる「関節に水がたまる」状態です。

  • 関節軟骨ー関節包内の骨端部は、軟骨組織で覆われています。この軟骨組織は柔らかく、関節液から栄養分を受け取っています。軟骨の柔らかい構造と、関節液の存在により、関節は滑らかな動きが可能になります。軟骨が摩耗し減少すると、動くたびに硬い骨同士があたるため、炎症がおき、痛みや腫れが生じます。更に進行し、骨自体が摩耗し始めると、骨および関節の変形につながります。

  • 靭帯ー骨と骨をつなぎ止め、関節の安定、補強に役立っています。強い繊維でできていますが、多少は伸び縮みします。強い外力がかかったときや、張力が長期間かかってしまうと、伸びきってしまいます。スポーツ時のケガで「靭帯を伸ばした」と聞くことがあります。関節が脱臼すると、靭帯は過度に伸ばされるため、早期に治療する必要があります。伸びきってしまうと、関節の固定力が低下し、再度脱臼がおきやすくなります。

  • ー筋肉は骨と骨の間でつながっています。靭帯とは異なり、非常に収縮・伸展性があり、骨格筋は意識的に働かせることができ、それにより関節を動かすことができます。反対に、靭帯は関節が動き過ぎないよう、骨と骨をつなぎ止めています。筋肉と骨をつなぎとめる移行部がとなります。筋肉は赤色ですが、腱は白色です。筋肉のように伸び縮みしないかわりに、硬い組織で構成されています。代表的なものがアキレス腱です。

ちなみに、「どて焼き」など料理の食材である「牛すじ」は、本来は牛のアキレス腱が用いられるそうです。しかし、現在は、肉やハラミの下処理時にでる筋状の部位も牛すじとして用いられ、コンビニで販売されているおでんの牛すじは、後者であることが多いそうです。


上記のような構造からなり、関節は一生の間に、何度も何度も動き続けます。

加齢とともに、関節は何十年も動き続けることで、徐々に関節軟骨はすり減ります。
また、関節包、滑膜、靭帯などの組織は、少しずつ変性し硬くなっていきます。
最終的には、ほとんど軟骨は無くなり、硬い骨同士が直接擦れ、その結果骨は変形し、関節も変形します。

他に骨粗しょう症により、骨の組織がもろくなっている状態では、背中や腰の骨の圧迫骨折がおきやすくなります。

圧迫骨折は、しばらく腰痛が続いていると感じるくらいの痛みしかでないことがあるため、骨折していることに気づかないことが多くあります。
骨折部位自体は、時間の経過とともに、骨は癒合します。
ただし、骨に圧力がかかり潰れるような状態で骨折していると、元通りでなく、歪みのある状態で骨は癒合されます。それにより、関節の変形へと影響します。

骨粗しょう症は、薬の服用で、治療します。
椅子に腰かける動作で、背中・腰の骨の圧迫骨折がおきることがありますので、骨密度が低下しているかたは、どんっと勢いをつけて座る動作には注意が必要です。


関節の変形が進み、炎症により、痛みが生じている場合は、痛み止めの薬や注射による治療があります。
インソールやサポーターなど、関節の負担による症状を軽減するための装具もあります。
変形度合いが進行し、痛みが収まらない場合は、手術、人工関節を利用することもあります。


痛みや腫れ、炎症が落ち着いていれば、運動し、筋力をつけることが大切です。
関節周囲の筋肉を鍛えることで、関節にかかる衝撃や負荷を軽減できます。
また、関節を適度に動かすことで、血流や循環が改善し、痛みを発する物質や老廃物が除去され、慢性的な痛みの緩和につながります。

ただし、正しいフォーム・動きで運動、筋力強化、可動域訓練をおこなうことがとても大切です。
関節の変形が進んでいるかたは、誤った角度・動きで関節を動かしていることが多いため、その状態で運動し続けると、更に関節に負担がかかり、変形が進んでしまうことがあります。

年齢とともに誰しも関節は消耗しますが、正しい動き、適度な筋力をつけることで、関節の痛みや変形を予防することはできますので、是非とも運動習慣を取り入れていきましょう。


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