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マッサージと循環
2021/04/30
そのほか
こんにちは、にこにこスタッフ森田です。
訪問マッサージでは、筋肉の麻痺・萎縮の予防、改善のために、患部へのマッサージをおこないます。
凝り固まった筋肉をマッサージすることで、筋肉の緊張がゆるみます。
筋肉の収縮・伸展動作がない状態が続きますと、筋肉は徐々に萎縮し、本来の正しい働きが失われます。
それが更に進むと、筋肉は麻痺し、ご自身で動かせなくなります。
そうならないよう、マッサージをおこないます。
マッサージすることで、血液・リンパの流れが改善し、緊張していた筋肉に柔軟性が戻ります。
スポーツする前には、ウォーミングアップが大切です。
突然筋肉に強い力が加わると、肉離れやねんざをおこす危険性があります。
ウォーミングアップをおこなうことで、冷えかたまった筋肉・関節に血流が流れ柔軟性が高まり、動きだす準備が整います。
年齢を重ねるほど、体の組織は硬くなるため、よりウォーミングアップが大切となります。
病気の後遺症などで、手足の筋肉・関節をじゅうぶんに動かせないかたには、ウォーミングアップの代わりに、まずはマッサージをおこない、筋肉に血流を流していきます。
そこから運動をおこなうと、筋肉や関節への負担は少なく、運動時の痛みの軽減にもつながります。
マッサージをうけることで、脳内で様々な神経伝達物質が分泌されるといった効果もあります。マッサージをうけると心地よく感じるのはそのためです。
タッチケアなどでは、圧や押す力は控えめですが、そういった刺激でも脳からは神経伝達物質が分泌され、心地よさ、また痛みの緩和といった効果があります。
また、凝り固まった箇所を押圧していると、すっと固さが緩むことがあります。
これは、神経系統の反射によるもので、自然と体が反応しています。
マッサージの作用機序は他にもまだあり、現在も医学的な研究がおこなわれています。
そういった様々な効果の中で、特に大きなものは、血液やリンパなどの循環機能が改善する点だと思われます。
血液循環が悪化すると、様々な病気の原因となります。血液成分の状態も、健康と大きく関係しています。
例えば、糖尿病はその一つです。
血糖値が高くなりすぎることで、体に様々な症状があらわれます。
また、血糖値が高い状態が続くことで、血管にダメージがあらわれます。
血管には体の中枢を流れる太い動脈や静脈があります。
一方、手足の末端や、脳や腎臓、肺などには、とても細い毛細血管が数多く存在します。
太い血管がつまったり、破れたりすることはとても危険で、治療が遅れると命とりになります。
それに対して、細い毛細血管がつまったとしても、すぐには病変はあらわれません。
しかし、その部位が広範囲に広がりますと、徐々に症状として出てきます。
一度、完全につまってしまうと、毛細血管は壊れてしまいます。
すると、その毛細血管により栄養がもたらされていた組織が死んでしまいます。
血糖値が高い状態が続きますと、血管全体に影響を及ぼしますが、まずは細い毛細血管からダメージが蓄積し、進行すると様々な合併症があらわれます。
毛細血管が壊れ、その周辺の組織が壊死してしまうと治療できませんので、悪化した場合は、インスリンで血糖値をコントロールする必要があります。
良好な血液の循環には、含まれる成分の影響のほか、血管のしなやかさも関係します。
皮ふや筋肉と同じく、血管自体も、加齢とともに硬くなります。加齢以外で、食事内容や運動不足なども関係します。
血管が硬くなると、血圧はあがります。
柔らかい状態ですと、心臓から血液を送りだす時に、スムーズに血管内を流れます。
しかし、血管が硬くなり、伸び縮みが少なく柔軟性が低下すると、心臓から血液を送り出すときに、より力(圧力)が必要となります。この血液を送り出す圧力が高い状態が高血圧です。
強く送りだすには、心臓の筋肉は強く収縮する必要があり、結果心臓に負担がかかります。
また、ゴムと同じように、血管が硬くなると、血管自体が損傷しやすくなり、その上、強い力で血液が流れていくため、更に血管へのダメージが積み重なります。
一酸化窒素(NO)という気体があります。
一酸化窒素は、大気汚染の原因物質でもあり、あまり良くないイメージがあります。
この一酸化窒素が、マッサージの刺激により、血管の内側の細胞から放出されるといった研究結果があります。
血管内で放出された一酸化窒素は、血管を柔らかくし、血管内腔を拡張し、血流を増加させる働きがあることがわかっているそうです。血管にはとても有益な物質です。
運動により、血管内を血流が速く流れる時にも、この一酸化窒素は放出されます。
血管の柔軟性が高まり、内腔が広く拡張すると、血圧の低下につながります。
そうすると、血管へのダメージは減少し、心臓の負担も軽減します。
他には、温泉につかる、青魚・緑茶・緑黄色野菜を食べることでも、血管内の一酸化窒素の放出が増加するようです。
心臓は休むことなく動いており、血液も絶えず流れ続けています。
血圧が安定しているかたですと、運動などで短時間激しく動いたとしても、心臓や血管にはそれほど負担はかかりません。
しかし、安静時の血圧が高くなると、四六時中負担がかかり続けるため、少しずつ心臓や血管にダメージが蓄積します。
高血圧の予防には、減塩や食事内容、体重コントロールといった生活習慣はとても大切です。
それに加え、運動やマッサージにより、血管内の一酸化窒素を増加させることも、有益だと思われます。
血圧が安定していることは、心臓や血管といった循環機能が健康であることのあらわれです。いつまでも元気で健康な血管を保っていきましょう。