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むくみ
2021/05/14
そのほか
こんにちは、にこにこスタッフ森田です。
前日にアルコールを飲み過ぎて、朝起きると顔がむくんでいたり、夕方になると足がむくんで靴が窮屈に感じるといったことは多くのかたが経験されていると思います。
むくみは浮腫ともよばれます。
むくみは、皮ふの下の組織の細胞と細胞の間に、血液中の水分が多量に染み出した状態です。
足がむくんでいる時に、すねあたりを指で押してみると、なかなか指の痕が戻らないときは、むくみです。
くつ下の痕が長時間残っているのも、むくみが原因です。
一方、指で押して離すとすぐに痕が消える場合は、水分が溜まりむくんでいるのでなく、別の原因が考えられます。
また「腫れている」状態はむくみとは異なり、その部位の体積の増加は血液量によるものであり、発赤や熱感、痛みといった炎症の症状がみられます。
人の体では、普段から血管の内外での水分の移動がおこなわれています。
成人では体重のおよそ60%が水分であり、そのうち40%が細胞に含まれ、残り20%が細胞外の水分(血液、組織間液)です。(ちなみに高齢者の体内水分量は50~55%と減少し、一方、新生児ではおよそ80%が水分だそうです)
体の水分(血液も含め)は、たえまなく全身を循環しています。
働きは様々で、体温の調節、栄養素や老廃物を運ぶ作用などがあります。
体にとって決して欠かせないものですので、水分量の調整は、体内では生まれた時から自然とおこなわれています。
水分量が減少すると、喉の渇きを感じますし、また不要なときは尿として排出されます。
同じように、血管の内と外との水分の移動も自然とおこなわれているのですが、このバランスが崩れ、血管外の水分量が多くなり過ぎた状態が、むくみです。
通常では、増えすぎた血管外の水分は、血管・リンパ管に吸収されるのですが、むくんでいる状態は、この循環機能が低下していることが一つの原因となります。
足にむくみがおこりやすいのは、重力の影響があります。
血液は心臓から送り出され全身を巡ります。
心臓はポンプのようにしぼんだり膨らんだりしますが、その作用により、強い力で血液を送り出します。
その血液を送り出す力(圧力)が血圧です。
送り出された血液の流れは、体全身を巡り、酸素や栄養素を細胞へ運び、反対に二酸化炭素や老廃物を受け取り、再び心臓へと戻ります。
細胞が健康でいるためには、よどみなく血液が流れ続けることが必要です。
しかし、心臓から離れるほどポンプ作用の力は弱まり、また、足から心臓に戻るには、重力の影響があるため、より血液の流れが弱まってしまいます。
このことへの対応として、足の静脈には血液の逆流を防ぐ弁のような構造があります。
また足の筋肉が働くことにより、多少のポンプ作用がみられ、血流の流れがサポートされます。
しかし、一日立ち仕事をされ、ずっと同じ姿勢で過ごされている場合は、徐々に血流の戻りが悪くなり、夕方には、午前よりも足に血液が溜まっている状態になります。
その状態でも、心臓からは絶え間なく血液が送りだされますので、血管への水分の吸収よりも、血管外にしみ出す水分量が多くなり、足がむくんだ状態となります。
これは、立ち仕事だけでなく、長時間のデスクワークでもおこります。
また、歩く動作での筋肉のポンプ作用の効果を多少は期待できるのですが、あくまでも補助的なものであり、一日歩き回る仕事の後は、足はむくんでいる状態であることが多くあります。
楽な姿勢で座って休憩したり、就寝時に横になることで、重力の影響が減少し、足にたまり過ぎた水分が、通常のバランスに戻ろうとします。
以前、完全にフラットな状態でなく、背もたれを倒した状態で車中泊を続けることは危険であると、問題になりました。
足の位置が心臓より低い状態での就寝では、足から心臓へと戻る血流が悪い状態が続いてしまい、足の血管内に血栓が生じる「エコノミークラス症候群」がおきる危険性があります。
これは、むくみとは異なるのですが、原因は同じく足の血液循環の悪化によるものです。
むくみは立ち仕事や姿勢によるものだけでなく、血液中の塩分濃度が高くなることでもあらわれます。
また、疾患による体の循環機能の低下が関係していることもありますので、注意が必要です。
立ち仕事により、1、2日足がむくんでいても、気づかない間に元に戻っていれば問題はないのですが、しばらくの間ずっとむくみが続いている場合は、病院で診察を受ける必要もあると思われます。
一方、一般的なむくみには予防・対策の方法がいくつかあります。
手先足先など末端が冷えやすいかたは、足先をよく温めることにより、血流の改善を期待できます。
そして、下肢の筋肉を働かせ、筋量を増やすことが効果的です。
筋肉が働くことで血流は良くなります。とくに足のふくらはぎの筋肉を使う運動が効果的です。
塩分摂取が多いと、自然と体に余分な水分が溜まりますので、塩分量を控えることも大切です。
また、野菜や果物に多く含まれるカリウムの摂取により、塩分(ナトリウム)が尿中に排出されやすくなりますので、むくみの改善に効果があります。(腎機能が低下しているかたはナトリウム、カリウム共に摂取量に気をつける必要があります)
また、マッサージをおこなうことで血液の流れは良くなりますので、むくみの改善につながります。
入浴中、もしくは後にストレッチと合わせておこなうとより効果的です。
体の麻痺などで、ご自身で手足が動かしにくいかたもおられます。
訪問マッサージでは、症状がみられる手足の筋肉や関節の働きが衰えないよう、マッサージや機能訓練をおこないます。
それに加え、血流を流しむくみの予防・改善につながるよう、手足の末端から中枢へと血液の流れを意識して施術をおこなっています。
血流が良くなることで、手足のこわばりや冷え症状の軽減につながります。また、循環機能が改善することで、体全身の健康の向上につながります。