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体の糖化反応
2021/08/13
そのほか
こんにちは、にこにこスタッフ森田です。
以前に体内での「糖化反応」について書きました。
食事から摂取した糖質が消化により分解され、体の組織を構成するタンパク質(アミノ酸)や脂質と結合・変性することで、その組織が本来持っている機能が失われます。
通常では、摂取した糖質は活動のエネルギー源として消費されるのですが、過剰に摂取したり、活動や運動による消費が少ない場合は、体内に余分な糖があふれます。
血糖値が高い状態です。
この状態が続きますと、体内での糖化反応がおきやすくなります。また糖尿病にかかるリスクも上がります。
体内の糖化反応は「体がこげる」といった表現をされることがあります。
糖化反応した体内の細胞や組織を「こげ」と表現しているのですが、これは分解されにくく、反応の進行度が早いと、この「こげ」がどんどん溜まっていきます。
一つ一つの細胞には寿命があります。
その寿命は細胞・組織によって異なります。
よく耳にすることがあるコラーゲンは、皮膚や靭帯、骨、軟骨などを構成するタンパク質です。
このコラーゲンは体内の総タンパク質のおよそ25%を占めており、寿命が長いといった特徴があります。
コラーゲンのような寿命が長い細胞や組織が糖化反応を起こすと、健康な細胞との入れ替わりに時間がかかります。
そうすると、「こげ」がどんどん溜まっていきますので、寿命の長い細胞・組織ほど、糖化反応の影響を強く受けてしまいます。
コラーゲンは皮膚に多く存在し、肌のはり・弾力を保つ働きがあります。しかし、コラーゲンの糖化反応が進むと、肌の弾力が徐々に失われます。
また、コラーゲンは軟骨、そして骨を構成するタンパク質です。
骨の構成成分といえば、『カルシウム』が一番に思い浮かびますが、コラーゲンにも重要な働きがあります。
骨の構造はよく鉄筋コンクリートに例えられます。
カルシウムなどのミネラルはコンクリートにあたり、タンパク質であるコラーゲンは鉄骨部分にあたります。
コンクリートはもちろん固いのですが、鉄骨が入ることで、さらに強度が高まります。
骨粗しょう症は、このコンクリートの密度が低下し、すかすかになっているイメージです。
一方、コラーゲンの糖化反応が進むと、支える鉄骨が変性し強度が低下してしまうため、カルシウムやミネラルをしっかり摂取しコンクリートの密度が充分であっても、骨全体としての強度は失われます。
ほかに、目の水晶体を構成するタンパク質も寿命が長いため、糖化反応の影響を受けやすく、白内障が進行すると考えられています。
血糖値が高い状態が続きますと、血管へのダメージが大きくなるのですが、これにも糖化反応が関係しているようです。
血管は太い動脈や静脈だけでなく、数多くの毛細血管が全身に存在します。
血管の状態は、体全身の健康状態と密接に関連していますので、血管を健康に保つうえで血糖値が適正であることは重要です。
血糖値が高く、体に余分な糖が多くなると、体内での糖化反応が進行します。
その予防として、糖質の摂取量の調整、余分な糖をエネルギーとして消費するための運動や活動が必要です。
年齢とともに、基礎代謝が下がり、日中の活動量は低下します。
糖質を含む食品は甘く美味しいものが多くあります。
ご飯やパン、麺類などの主食は糖質が多く含まれています。
砂糖は主成分が糖分のみですが、糖質を含む食品には他の必要な栄養素も含まれていますので、全てを避ける必要はありませんが、摂取量が多いかたは、年齢とともに減らしていく必要もあります。
また、食品により血糖値の上昇の幅に差がありますし、食べる順番によっても血糖値の上がり方に差が出ますので、注意が必要です。
摂取した食品の血糖値の上昇度合いの指標として「GI値」というものがあり、血糖コントロールにおいて重視されています。
同じ食材であっても、調理法によりGI値に変化がみられるのですが、血糖値が上がりやすい食品などについてはまたの機会に書いてみたいと思います。