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体の糖化反応2

2021/08/20

そのほか

こんにちは、にこにこスタッフ森田です。


体が疲れているときなど、甘い食べものや飲み物が欲しくなり、ついコンビニに立ち寄ることがよくあります。
糖分を摂取すると、リラックス効果か満足感からなのか、疲れが取れるような気もします。

ただし食後から時間が経過し、空腹状態からくる食欲ならまだ良いのですが(空腹時に糖質が多い食品の摂取は、急激に血糖値が上がるため注意が必要です)甘い食品の場合は、それほど空腹でないときでも欲しくなることがあります。

甘いもの、とくに砂糖には中毒性があるとも言われており、空腹でない状態で頻繁に摂取すると、カロリーオーバーになりますので注意が必要です。
砂糖を含む食品を摂取すると血糖値がすっと上がり、それを下げるため膵臓からインスリンが分泌されるのですが、これが一日の間に幾度も繰り返されると、膵臓の負担は大きくなります。
また、インスリンの分泌回数が多くなりますと、徐々に血糖値を下げる効果が低下し、更に多くインスリンを分泌する必要があるため、膵臓に大きな負担がかかります。

この状態が続き、インスリンの分泌・効きめが減少してしまいますと、血糖値が下がりにくくなり、糖尿病を発症するリスクが高まります。

血糖値が高い状態では、人の体内では、細胞・組織を構成するアミノ酸(タンパク質)や脂質と、余剰となった糖が結合する『糖化反応』が生じます。
生体内での糖化反応が進むと、その細胞・組織に本来備わっている機能が失われるため、血糖値のコントロールはとても大切となります。

現在血糖値が高めのかたは、食事からの糖質の摂取量の調節、また運動や活動により消費カロリーを高くする必要があります。

ただし、ダイエットと同じように、上手に調節していかないと、リバウンドのおそれがあります。

昔から日本人はご飯を主食としてきたため、元々糖質の割合が高く、タンパク質の摂取が低い傾向にあります。
ご飯やパンやうどんといった主食を一気に減らすことは難しいため、主食の量を少し減らし、代わりに主菜副菜でタンパク質を多くすることで、食事全体の満足感を維持できるようにします。


含有される糖質量は同じであっても、食品により血糖値の上昇度合いに差があります。
カロリーが高い食品が血糖値が上がりやすいようなイメージがありますが、実際は細胞に吸収されやすい食品ほど血糖値は上昇します。
例えばうどんとそばを比較すると、うどんのほうが血糖値が上がりやすい食品となります。

食品による血糖値の上昇度合いの差を数値化した指標として、『GI値』というものがあります。
ブドウ糖を100とし、数値が高いほど、血糖値が上昇しやすくなります。

血糖値の上昇幅が高いと、それを下げるために、インスリンが多く分泌されます。インスリンが多く分泌されると、その作用は強く、血糖値は急激にストンと下がります。
血糖値が急激に下がると、次に脳は空腹感を感じます。
すると、まだ食物の消化が終わっていなくても、糖質を食べたくなるといった悪循環がうまれます。

GI値が高い食品を摂取したときには、この傾向が強くあらわれます。
また空腹時ですと、低い状態の血糖値が急激に上昇しますので、とくに強く影響を受けます。


ただし、このGI値はそれぞれの食品に含まれる糖質を50グラム摂取した時の血糖値の上昇度を表したものであるため、GI値だけで見ると、パスタよりジャガイモのほうが高いのですが、実際食べる1食分に換算し直すと、パスタのほうが血糖値の上昇が高くなってきます。

一度の食事でパスタを180グラムを食べることはあっても、ジャガイモ180グラム(大きなサイズで1個分)を食べることは少ないかと思われます。
またパスタとジャガイモを比較すると、含有される糖質の比率がパスタのほうが高いため、同じ180グラムであっても、含有される糖質量はパスタが多くなります。
GI値だけでみると、ジャガイモのほうが高いのですが、実際の食事での摂取量を考慮すると、パスタのほうが糖質の摂取量が多くなるため、血糖値を上昇させると考えられます。

したがって、その平均的な一食分の摂取量も考慮した『GL値』といった指標があり、ダイエットなどで注目されています。


他に食事では食べる順番によっても血糖値の上がりかたに差がでます。
最近では、野菜から食べると良いといった話をよく聞きます。
いきなり、ご飯を食べるより、食物繊維の多い食品や、タンパク質や脂質の多い主菜などを食べてからご飯を食べたほうが、血糖値の上昇は緩やかになることがわかっています。
また、早食いより、しっかりと噛んでゆっくりと食べたほうが血糖値の上昇は緩やかになります。

甘いものを食べたくなる事もあります。糖質を多く含む食品は美味しいものが多く、食べることで精神的な満足感もうまれます。
また、GI値が高くても、糖質だけでなく他の必要な栄養素が含まれている食品もあるため、バランス良く摂ることが大切です。

甘いものを食べるタイミングとしては、血糖値の上昇だけで考えると、空腹時より食後のほうが良いのですが、一食分の摂取カロリーが確実に増え、中性脂肪に変換される量が増加しますので、どちらが良いかの判断は難しいようです。
どちらにしても、食べる量は控えめにし、お菓子の代わりに果物にすることも良いかと思われます。

果物は甘味があるのですが、血糖値の上昇は低く、低GI食品となります。
GI値だけでみると、ジャガイモのほうがイチゴや桃よりずっと高くなります。

これは、果物の甘味は、多く含まれる果糖由来であることが関係しています。
果糖は細胞に取り込まれるとき、ブドウ糖とは異なりインスリンの作用を必要としません。したがって、膵臓への負担は少ないのですが、果糖は中性脂肪へと変化しやすく、摂り過ぎるとカロリーオーバーとなります。

また、果糖はブドウ糖よりも『糖化反応』がおきやすいといった特徴があるため、低GI食品ではありますが、食べ過ぎには注意が必要です。
しかし、果物にはビタミンや食物繊維が多く含まれ、適度に食べる分には果糖もそれほどの量にはなりませんので、体にとっては健康的です。



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